〜歯を残す方法、それでも抜歯するとき、予防について

 僕は、現在、大阪府泉佐野市に住み、泉南郡熊取町の歯科診療所で診療をしています。また月に数回大阪大学歯学部附属病院で診療を行っています。
 

 一般歯科治療を主に行っていますが、その中でも自分の大好きで得意分野でもある、歯周病の治療、歯の保存治療を特に専門としています。そして、つねに、患者さんの治療の時は、いかにしてこの歯を残そうかとばかり考えています。もう歯科治療馬鹿なくらいです。なぜ、そうしているのかというと、「自分のことや家族のことを大切に思う方が、生涯自分の歯で美味しく食事ができ、自分の本来の歯できれいな笑顔でいてほしい」と考えるからです。
 できるだけ、歯を抜きたくない、そう僕は考えています。
「一歯一生、一生一歯」学生時代の恩師である、接着歯科に関する大家でもある眞坂信夫先生のお言葉が根本にあります。
■歯を失う原因
だから、歯を残すためのあらゆる方法を考え、日々実践しています。
歯を失う2大原因が、①齲しょく(むし歯)と②歯周病です。そして、近年原因と増えてきているのは、③歯根破折です。
あらゆるエビデンスのある方法を考えています。
①齲しょく治療に関して、、、
出来るだけMIの概念を実践しう蝕検知液を用いた最小限の切削範囲でのコンポジットレジン修復を行います。歯髄の重要性を認識しているため、間接歯髄覆罩法、直接歯髄覆罩法、生活歯髄切断法など、極力歯髄を保存する治療を選択します。また齲蝕が進行し、歯髄にまで及んだ場合、抜髄時は将来根尖性歯周炎になりにくいように根管内の感染の拡大を防ぐため(ラバーダムを始めとする)防湿法、次亜塩素酸ナトリウムを用いた殺菌、十分な拡大を心がけています。また歯根端切除術、意図的歯牙再植法を用い細菌感染が顎骨内にまで及んだケースにおいても保存の方法を考えます。
②歯周治療に関して、
一度失った歯槽骨は通常元に戻りません。歯周基本治療、歯周外科治療、また歯周組織再生療法を、診査診断の上、日々実践しています。歯周病の原因であるプラークをつかない環境を作る、炎症の生じにくい環境を作ることを目指します。
③歯根破折
に関して、現在歯根破折した歯に対して、エビデンスレベルの高い保存方法はなかなかありません。そのため、徹底して歯根破折が生じないように、治療を実践しています。具体的には、歯質欠損量の多い歯牙への

■歯科矯正できれいな歯並びと、ブラッシングしやすい歯並びを
そして気づいたこと。
僕は矯正治療を、友人や、患者さんにも勧めます。なぜなら、歯並びが悪いとむし歯や歯周病になりやすいからです。
これらのことを突き詰めると、綺麗な歯列が必要であること、自分の歯並びも悪く、その隙間から虫歯になった経験があるからです。きれいな歯並びはむし歯や歯周病も防ぐ。それが歯の保存を願う僕からの提案です。

■どうしても抜歯が必要になる時
しかし歯をどうしても抜かなければならない時があります。それは、①他の歯に悪影響を及ぼし他の歯の寿命を縮めると考えられるとき、②顎堤の骨が著しく破壊されその後の補綴処置(入れ歯、インプラント、ブリッジなど)をするときに不利になる時、③その歯がさまざまな理由により悪くなり、継続して疼痛が生じて日常生活に支障をきたすとき、抜歯を保存します。
それは、その人の人生をトータルで見た時に、生涯自分の歯で健康でいてほしいから。だから、泣く泣く抜歯を伝えることをします。なので、抜歯を伝えるとき僕はとても悲しい気持ちになります。

■もっとも大切な、予防ということ
そして、抜歯の宣告をするたびに感じることがあります。それは突き詰めると、重要なのは予防であるということです。
どれだけ多くの治療オプションを提示しても、突き詰めるとそれは、疾患が発生してからの後手後手の対処法でしかありません。
一番大切なのは、歯周病にしろ、齲しょくにしろ、そうならないということです。自分の治療した歯が、数年後にまたむし歯になっている、歯周病が再発している、歯根破折を生じている。とてもショックを受けました。
そうならない、ケアの重要性を痛感します。ケアにはホームケアとプロフェッショナルケアがあります。プロフェッショナルケアは数カ月ごとに検査、PMTC、Scなど歯科医院で行う治療、予防処置です。

とことん歯を保存したい。自分のことや家族のことを大切に思う方が、生涯自分の歯で美味しく食事ができ、自分の本来の歯できれいな笑顔でいてほしい。その他の、インプラントにしろ、矯正治療にしろ、メタルフリー治療にしろ、歯牙移植にしろ、ルーペを用いた診療にしろ、自分の治療オプションはその想いを実現するために存在し、研鑽を積んでいます。
この想いで、僕は治療に向かい、予防の重要性の説明をしています。