歯学部、定期試験の乗り越え方 2007年09月03日00:20,追記2014年6月29日00:35

 

 今日は、歯学部の学生である後輩へのメッセージです。
 私は千葉県に当時あった東京歯科大学で6年間学生時代をすごしました。私は家が歯医者さんでもなく、親から、絶対に留年だけはするなと言われていました。学生時代は(部活と)歯科の勉強に明け暮れました。一生懸命になるその期間は、その当時とても大変ではありましたが、自分の限界まで努力した経験は後から振り返るととても思い出深く、現在に生きていると思います。その時の情熱とそれに答えてくれる先生方がいてくれて今の自分があると思います。

 また、歯学部は日本に数多くあります。大学の講義内容や試験はその大学ごとに違い、求めるものも違うと考えられます。ここでは、私が学生当時の経験を書き記したいと思います。そして内容は、CBTや国家試験へ通じる、歯学教育要領に準じた内容をどのような心構えで取り組むかという点で記しています。

 今はさらに総合試験がある、CBT、オスキーが必須化されて、高いレベルが求められると思います。

~前期・後期試験の乗り越え方~

まだ学生の後輩へ。 

 

 夕方部屋でのんびりしている時、後輩からテスト勉強の相談を受けました。教養科目から専門科目に進んで、どう勉強したらいいのかと。

 専門科目では解剖学や生理学をはじめ、人体について初めて学びます。習うことは初めてのことばかり。勉強しようにも手探りです。

 よく後輩の相談は聞いていました。どうしたらテスト合格していけますか? これを機会に、勉強の仕方をまとめてみたいと思います。

 自分の大学生活を振り返ってみました。どうやってテスト勉強してきていたんだろうか。そもそもなんで勉強が嫌いだった自分が特待生にして頂き、血脇賞をいただくことが出来たのか。何を意識していたのか、実行していたのか記したいと思います。

 自分は勉強で結果を残せたのは、大学の2年前期からでした。それまで勉強っていやいやするものだと思っていました。でも変わりました。面白くなりました。

そしてどうやったら楽しく勉強できるか試行錯誤しました。

 結果的に、3学年、4学年、5学年時に特別奨学生に選んでいただきました。東京歯科大学では学習態度、成績優秀者の何人かが学費のある程度の免除を受けることができます。自分も3年間ある程度学費を免除していただきました。 その結果もあって、大学6年間を通じて、血脇賞(6年間を通じて5番以内?)にも選んでいただきました。

 弓道、写真部、映画撮影、病院実習班長、卒業論文を並行しながらの中での結果でした。多くのことを頑張っている歯学部後輩の勉強の参考になればと思います。

 そして良かったこと。少しは親孝行ができました。高校、予備校時代とずーっと心配をかけていた両親に、この道を後押ししてくれた両親に自分学生時代を示すことが出来たと思います。歯科医学に臨むということに自信が持てました。

 

■勉強のコツ、9大ポイント

1.がむしゃらにやる。

2.目的意識を持つ。

3.自分より優秀な友達と一緒に勉強する。刺激される。

4.優秀な先輩の勉強の仕方をまねする。

5.100点を目指す。

6.過去問を分析する。

7.テストまでの計画を立てる。

8.各科ごとのテスト対策本を一本作る

9.理解する、暗記する。

 

1.がむしゃらにやる。(すぐに動き始める)
 何をしていいか分からない。一歩を踏み出すのに躊躇してしまう。テスト勉強なにやったらいいんだろう。でもやんなきゃいけないことたくさんある。どうしよう。そう思いながら一日一日過ぎてしまう。そういうことがあります。

 とにかく何でもいいからまず始めること。それはテスト資料(特に過去問)を集める、授業中寝てたんだったら友達にノートを借りる、先生に泣きつく、先輩に去年どんな問題が出たか聞くなどなど。何でもいいから行動を起こすことです。

 そして今できることを必死になってやることです。私はやってもだめだ、まあ大丈夫だろ、マイナス思考、油断している場合じゃありません。

 

 

2.目的意識を持つ

 自分は何のために勉強するんだろう。これをどんだけ強く意識できるか。歯学生である自分たちはわかりやすいです。患者さんを将来治療するためです。ちゃんとした知識は持っているほどいいです。

 専門的な知識や理解を持っていれば持っているほど、良い歯医者さんになれる可能性は上がります。同じ位の腕で、優しくて、説明してくれる先生。そ ういう先生で、ちゃんとした知識を持っている先生と、適当な知識で何となくやっている先生。自分はどっちの先生に診てもらいたいか。(もちろん技術も、人 柄も、コミュニケーション能力も必要になっていきます。) 強いモチベーションは、自分を望む方向に導いてくれます。

 少しでも、良い先生になるために、テスト勉強はあります。そう考えます。

 学生時代やいろいろな歯学部生を見て、親が歯医者の学生の方が、あまり学生時代に目的意識を持たずに過ごしているようにも感じます。親の後を継ぐなどの方向性が決まっているからかも知れませんが、力を抜いている人が多いと感じました。基礎固めをしておけばさらにいい先生になれると思います。もちろん学生時代から高い意識を持って世界的に活動している学生もいます。

 

 

3.自分より優秀な友達と一緒に勉強する、刺激される

 

 一人でだけ勉強はしないこと。なぜかというと理由は2つ。

 1つは勉強の方向性がずれないためです。一人でしか勉強をしていないと知らない間にテストや講義での重要な点から焦点がずれてしまう(それが楽しくて、自分自身の問題意識を調べることが、本来の勉強なんだけど)。

 2つ目は、みんなですると知識が深まるからです。ディスカッションをすることで、みんなが知っていたり、覚えていることは自分も覚えておこうと思えるからです。

 僕は仲間に助けてもらって、部活も試験も、学生時代を乗り越えました。切磋琢磨できる仲間がいたからです。

 お互いわからないことを議論しあいました。何でこんなの理解できないんだとケンカもしました。教え方の下手さも自覚しました。聞いてもよくわかんなくてムキになってケンカ腰で質問したり。話はそれて、真に求められる歯科医療とはなにか、歯科医学はどうあるべきか、素晴らしい歯科医師とはなにか夜遅くまで議論しました。
 自分より頭のいいやつと一緒に勉強すると、こいつに追いつきたいとやる気をもらいます。

 すごいくコツコツ地道に勉強するやつから、その忍耐力、投げ出したい気持ちになった時、自分だけ投げだしちゃだめやん。こいつこんなに頑張っているのに。

 楽しく試験勉強する奴がいます。わからないことをわからないって素直にいえる。退屈な暗記をクイズ大会にして、一緒にワイワイやっているうちになぜか覚えている。

 いろんな仲間がいます。そんな中にいるとすごく背中を押してもらえます。

 

 

4.優秀な先輩の勉強の仕方をまねする

 僕には弓道部で一つ上の学年に小林先輩というとても優しく、優秀な先輩がいました。その先輩が特待生になったのがきっかけで、初めて自分も特待生というものに興味を持ちました。

 その先輩は、当時の自分にとってまさに憧れでした。勉強ができて、弓道がうまくて、優しくて、。

 ぼくもその先輩みたいになりたい、どうしたら先輩みたいになれるんですか。質問して聞くこともあったし、先輩の生活リズムをマネしたりしました。2年生に進学し歯科大学の専門教科(解剖学、生理学、生化学etc…)が始まり、不安でいっぱいだった時、よく相談のってもらい、弱音を聞いてもらいました。

 自分の身近な先輩で、ちゃんと試験乗り越えてきた人から得るものは大きいです。その先輩のやり方でちゃんと結果が出せたんだから。あの先輩が実際にできたんだから自分もできるかな。そういう先輩の背中は、自分を引き上げてくれます。

 

5.100点を目指す。

 「自分が患者だったら70点の先生に診てもらいたいですか。僕だったらいやです。」これは東京歯科大学保存学講座教授であった平井教授が講義の中でおっしゃられた言葉です。

衝撃を受けました。学生同士の間ではテストに合格できればいいや、そんなムードもある中での言葉。人を診ること、そこに70点はありえないと。

 100点を目指して、やっと95点が取れます。

 これまでの各科目での歯科医学としてのエビデンスは膨大な量になります。数十年以上の数百から数万におよぶ論文が出されていて、それが体系だって一冊の教科書になっています。大学で教えれる量なんてほんと限られたことだけです。テストに問われているのも、その中でもごくわずかです。そのごくわずかのものが無駄なもののはずがありません。

ほんとに大切だから授業でやっているんですし、テストに出しているんです。

 歯学生がテストで100点を目指すのは、歯科医師が100点の治療を目指すことと同義です。やはり私が患者さんの立場なら100点の治療を目指している先生に診て欲しいです。

 

6.過去問を分析する

 敵を知ることが大前提です。大学受験と同じです。

 戦術として、具体的に勉強する内容を決めていくためです。記述式か、5択か。問題数は多いか。どれくらいの知識、理解を問うて来ているのか(教科書レベル、参考書レベル、過去問レベルで対応できるか)。

 深い分析として。8年分位の過去問を分析して、そもそも過去問が当てになるか調べる。当てにならないとしたらなぜか。カリキュラム変更があったから?授業担当教員が変わったから?先生がテスト問題を絶対同じにしないポリシー? 方向性を決めていきます。

 それによってインプットした知識をどのような形でアウトプットするのかが決まってきます。学習する際に、試験の形式によって、専門用語の穴埋めに対応できるようきちんと用語を覚えるのか、選択問題に対応できるよう細部に気を払うのか、意識する点が変わってきます。

 

7.テストまでの計画を立てる

 計画を立てないでする勉強は、羅針盤を持たずに海を渡る船のようなもの。

 僕は、
①出来る限り授業を聞く、疑問点を洗い出す。
②一週間前までに勉強に必要な資料をすべて集める。
③3日前までに分からないとこを調べあげる、過去問をすべてテスト対策本に写す(ここが今までテストに出たとわかりやすくする)。
④残りの日からテスト直前までは、ただひたすら覚えること(input,output)に集中しました。①ここで授業中の疑問点を洗い出し自分の本当に興味のあることを教科書や図書館で調べたり、先輩に聞く、先生に聞くなどして調べる。テスト勉強ではなく、純粋に興味が有ることを調べる一番楽しい時間。少しずつテスト範囲の内容に理解を深める。
②で大切なのはテストを乗り越えるのに必要な勉強量を把握することです。
③では理解をとことん深めていきます。ここで理解すればするほど、最後の暗記が楽になります。ここは友人とすることをおすすめします。テスト勉強としての理解を進めていきます。
④がテストの点数に結びつけるために直接的に一番大切です。テスト形式に則して。inputしてoutputできること。これですべてが決まります。何回も書く、口に出す、まとめを朝昼晩目を通す、就寝前・起床時に想起する。友人と口頭試問しあう。

 

8.各科ごとのテスト対策本を一本作る

 

 授業ノート、プリント、過去問、教科書の大切な部分、テスト資料を一本化します。テスト直前にあれもこれも見ることはできません。それにこれだけやればいけるってノートを持つことは安心にもつながります。あとはそれを覚えるのみです。

 

 

9.理解する、暗記する

 

 理解と、暗記の両方を進めることが特に専門科目では重要になると思います。そして最終的には必ず暗記すること。人間二十歳を超えてきたら単純に暗記は出来ません。暗記しようとすると、何でこれ覚えなきゃいけないんだろうって興味がわいてきます。そうしたらそこを調べたり、質問したりします(これが本来の勉強。疑問、興味のわいたことを調べていく。)。

 具体的には、8で作ったテスト対策本の大切な用語を赤ペンで塗りつぶして、緑シートで隠して、見えなくします。それを書いて覚えまくります。自分で答えを諳んじれるようにします。よく間違ったところはマークしておいて、またチャレンジします。

テストのときは海岸のデニーズや稲毛陸橋下のサイゼ、稲毛のデニーズで徹夜に近く勉強してました(睡眠はちゃんととっていたけどね)。

 暗記に関して。よく勉強しているけど、最後ちゃんと大切なことを暗記しない人はテストを落とす可能性が高くなります。何となくでテストに臨んでしまって、はっきり解答を作れないからです。

 暗記は、武道でいえば型を覚えることです。ちゃんとした医学的知識を暗記することは歯科医師になるために必要な型です。

 

 僕は大学時代、このようにやって定期試験を乗り越えてきました。今の大学の後輩たちは僕の時より大変だと思います。OSCEもCBTも本格始動して、出席率もテストの合格ラインも高くなり。でもここで必死になって頑張った経験は絶対に歯科医師になったとき活きてきます。

 

■その先、歯科医師として

そして、今、東京歯科大学を卒業して。大阪大学歯学部附属病院に臨床研修歯科医として採用。新社会人です。

社会人になったらまた0からスタート。社会人になって、大学の成績がどうとかは関係ありません。むしろ自分を伸ばす方法、方向は違います。「street smart」への0からのスタートです。

 だから学生の間に多くの知識を吸収しておく必要があると思います。テスト前の必死さで勉強する機会ってなかなかないから。

PS.そしてさらにやる気のある人に

お勧めなのが、時間に余裕がある学生のうちに「成書」、「原著論文」をよく読んでおくこと。原著論文も大学の図書館などからPubmedで検索することが出来、大学からだと論文をダウンロードできるものもあると思います。将来、臨床論文を読む基礎体力になります。理系他学部の人は成書や原著論文を読んで実験し、考察して、卒業論文にまとめて、大学を卒業していくのが基本です。

頑張っている時って輝いてる。そういう奴はかっこいい。部活でも、バイトでも、恋愛でも。そしてそれが専門の勉強であってもいい。

 

相談してくれた後輩へ。頑張れ!

 

■追記2014年6月29日
 ここまで定期試験の乗り越え方を書き進めてきました。これは運動系の部活に所属する自分の周りの学生生活を前提に書かせてもらいました。
その後、国立大学歯学部の学生や、医学部の学生の意欲のある人達とEBM勉強会をしたりする中で、学生時代にできるといいなと思うことを記載します。

 Pubmedで検索し原著論文をできるだけ読む事。一流の臨床家の先生のところへ見学に行くこと、自分の大学で臨床や研究を熱心にしている先生といろんな話をしておくこと、自分の興味のある学会に参加すること(たいていの学会が歯学部生だととても安い参加費で参加できます)。同じ歯科への情熱を共有できる友人を持つこと。
 出来るだけ学生という特権を活かして、本質的なことを知り、本物に接しておいてほしいと思います。
 学生時代の過ごし方に関しては、また記載できる機会があれば書いていきたいと思います。