第67回東京歯科大学近畿連合同窓会が、兵庫県支部の主幹で行われました。
 
 
その中で講演会が行われました。
東京歯科大学名誉教授井出先生の、「摂食嚥下のための解剖学」の話でした。
 
学生時代の授業を思い出しました。楽しい時間でした。
 
2025年問題についての話がまずありました。
 
これは後期高齢者に団塊の世代がなることででてくる様々な問題のことです。
 
人口ピラミッドは、2050年には、ある表現によると、西洋棺桶型ピラミッドとのこと。その時の人口構造。お年寄りで歯はたくさんある。今とはまったく異なる状況となってきます。
 
 
誤嚥性肺炎もさらに問題になります。
 
そこで大切になるのが、摂食と嚥下に関しての知識です。今回はその摂食嚥下に関連する筋肉に対しての理解を深める講演内容でした。
 
 
 
講義の節々で飛び出す、井出先生節に懐かしさを覚えました。
忘備録のためにその内容を記載しておきます。
□摂食とは、認識から、食道の通過までの過程のこと。嚥下とは、舌根部から食道の通過までの過程のこと。
□球麻痺と仮性球麻痺の区別、障害部位
 
□咽頭と喉頭の違い。耳管咽頭口の意義
 
□舌は、特殊粘膜。
 
□粘膜の種類は、3つ。被覆粘膜:粘膜下組織があるか。咀嚼粘膜。特殊粘膜
 
□アーラインを参考にした義歯作成の解剖学的意義
 
□嚥下のための筋肉咀嚼筋、4つ 
 
□咬筋、側頭筋、内側翼突筋とそれと、外側翼突筋。外側翼突筋は運動方向が違う。
 
□舌骨上筋4つ。外から順番に、顎二腹筋、顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋。それと、下顎骨についていない茎突舌骨筋。
 
□舌骨の形態。意味がある。U字型、その中に喉頭が入っている
 
□嚥下動作。噛むことの重要性。閉口していないと嚥下が出来ない。
 
□加齢に伴う変化。嚥下総時間の延長、嚥下開始の遅延、口腔への送り込み時間延長、食道開口のタイミングの遅れ、食道入口の開大時間の減少
 
□誤嚥性肺炎の要因には、誤嚥の量・内容、喀出能力、体力・免疫力が関与している。
 
□口の中の細菌は300種類以上
 
□口腔内バイオフィルムは、きれいにしていても100億以下の細菌、歯周病あれば、1000億以上、清掃の出来ない場合は1兆程度の細菌が存在する。
 
□筋学、組織学的分類
平滑筋: 内臓筋 :自律神経支配
横紋筋: 心筋  :自律神経支配
横紋筋: 骨格筋 :体性神経支配
 
□末梢神経と、中枢神経
 
□脳神経12対のうち自律神経が入っているものは?
 
□顔面神経麻痺。顔面神経麻痺の症状は?顔面神経の働きを考えたら良い。表情筋。味覚、唾液への影響は、顎下腺、舌下腺への影響に起因する。
 
□顔面神経の働き。表情筋へ。舌神経へ。鼓索神経から舌下腺、顎下腺
 
□筋は、骨の起始部と停止部がある
 
□顎関節の比較解剖学
動物の顎関節は、その食べ物によって形状が著しく異なる。肉食動物は、関節にガッチリ入っている。関節横にながい。草食動物は、乗っているだけ。
ヒトは、その中間の形態である。
 
□咀嚼筋において、外側翼突筋だけ運動方向が違う。
 
□筋突起の形状。ついている筋肉は、側頭筋。筋突起が大きいということは側頭筋が大きい。
草食動物は小さい、肉食動物は大きい
肉食動物、側頭筋は頭の上までついている。
 
□では猫の外側翼突筋は咀嚼筋においてその割合は大きいか小さいか。正解は小さい。側方運動をあまりしないから。
 
□第一大臼歯を見た時に思い出すのは、
側頭筋を思い出してください。イメージしろ。
側方運動のための、斜走隆線。咬頭。
 
とても多くの知識のシャワーにお腹がいっぱいになりました。知的満足感を得れた貴重な時間でした。
 
 
今臨床に携わるようになって、その知識を振り返ると、本当に役に立ちます。
 
学生の頃も勉強していましたが、やはり、自分の臨床生活がベースにあると、腑に落ちるところが違います。
 
歯科医学も、医学、科学の一分野です。そしてそれに立脚した歯科医療だと改めて感じました。
 
歯科医療はサイエンスアンドアートだと言われます。日頃診療をしていると、技術的な、アートの部分にフォーカスされがちです。今日の講演を聞きそのサイエンスの部分に触れることが出来ました。
 
バランスよく知識を深め、技術を研鑽して、明日からの臨床を深めていきたいと感じました。