MITの石井裕先生特集~NHK「プロフェッショナル」より~をみて臨床医学を想う 2010年04月16日02:45

MITの石井裕先生のことば

彼が学生たちと議論をする時問う言葉。
「WHY?(なぜ)」
「なぜ?」という問いは、その研究の根本を問いかける質問だと彼は言う。
繰り返される問いかけにきちんと答えられなければ、まだそのアイデアは十分に練られていない。アイデアを磨き、インパクトのある物にするために欠かせない、大切な問いかけだ。

「越えるべき壁は、自分。」
研究者は自分の考えたアイデアを愛する。しかし、そのアイデアを本物の技術にまで高めるためには、そのアイデアを客観的に見つめる視線が必要だと彼は考える。
そこで、最も大きな壁になるのが「自分自身」だ。自らのアイデアにプライドを持つ研究者たちにとって、弱点を認めるのは難しい事だ。しかし、自らのプライドを捨て、自分に打ち勝つために、彼はあえて厳しい言葉をぶつける。

ぼくは臨床医学を研究する。そこでぶつかるのは、こうなってほしいという、治療に意味がある結果がほしいと望む気持ち。こうあってほしい。こういう結果がほしい。それは人間のエゴ。

 

しかし分子生物学的な現象は、それとは関係なくふるまう。ただただそのうちに秘めた仕組みに従って。
そして分子生物学や生物学を考えていて見えてくるのは、化学や物理学に裏打ちされた自然界の法則。そこには人間の利益から離れた、自然の、生命の姿が見える。
感じるのは、生命の本質と向き合うというのは、人間のエゴや欲を越えたところに目を向けるということ。

生命は、ぼくらが何を思おうと、そのメカニズムにのっとって、ふるまっている。それはとても興味深いこと。
ぼくにはわからないことだらけ。そして、生命への興味は尽きない。なんでその遺伝子はONになっているの?なんでそのタンパク質は細胞内に存在するの?そこには人智を超えた意味があるように感じる。そしてぼくはそのかけらを知りたい。ピペットを握り、細胞を扱い、顕微鏡をのぞく時、、、、、。ただただそこの本質を探し求めて、見てみたい。
なぜを大切に・・・。そして自分のエゴを取り除いて生命の本質をみつめること・・・。石井先生の言葉が胸によみがえる。