RCTと分子生物学  2010年06月04日03:00

 
臨床医をしていくとき、よく読むのは臨床論文。そして、特にランダム化比較試験(RCT)を中心に読む。

大学院で今、読むのは、分子生物学を中心にした分野。in vitroな論文が中心。

そこには大きな溝がある。そして、その二つの論文の間には、途方もない距離がある。しかし確実に科学・医学としてのつながりがある。

卒業したころ、診療をしていくのに、正直なんで基礎の論文読む必要あるんだろう、なんてかんじてた。なんでその両極端が必要か。自分にはよくわからなかった。
ものごとには理論がある。なぜそうなるのかという。どんどん立ち戻っていく、よくわからないから、細かく見ていく。ある一つの要素だけを取り出して考えてみる。還元論的なものの見方。今は流行らないといわれるけど、でも大切。分子生物の基盤がしっかりしているから、医学が成立する。マクロになった時の整合性も調べていく。そして、患者さんに治療が応用される。そしてまた臨床医学にフィードバックされていく。 ながいながい、生命のつながり。

ミクロからマクロまで。
分子から人の集団まで。
患者を診るとき、生命を操る仕掛けを探すとき。
ボトムアップの知識、トップダウンの知識。
帰納的思考、演繹的思考。

自分の場合、卒直後、ただRCTの結果だけをわかっていればいいと、うのみにしていた。その根底にある生命科学の仕組みを全然知ろうとしていなかった。視野が狭かった。
「自分の視野・思考の幅を広げることは大切だ」と、ある先生から諭されました。そして、心の中にあった靄が一つふりはらえました。