歯周組織再生療法Regeneration

エムドゲインとリグロス

歯周組織再生療法とは、歯周病の進行によって失ってしまった歯周組織(歯肉、歯槽骨、歯根膜など)を、特殊な薬剤や処置により再生させる治療のことを指します。ここでは、代表的な歯周組織再生療法である「エムドゲイン療法」「リグロス療法」についてご説明させていただきます。

エムドゲインによる歯周組織の再生

歯周組織再生療法

エムドゲインは、歯周病の進行によって失ってしまった歯周組織(歯肉、歯槽骨、歯根膜など)を再生させる歯周組織再生療法の一種です。

エムドゲイン・ゲルというタンパク質の一種を歯根の表面に塗ることで、歯が生えてくるときと同じような環境をつくり歯周組織の再生を促します。

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治療の進め方

治療の進め方はリグロスと一緒です。エムドゲイン・ゲルを、フラップ手術によって切開した歯茎から、直接歯根の表面と吸収された歯槽骨に塗布します。エムドゲイン・ゲルの主成分はエナメルマトリックスデリバティブと呼ばれる、幼豚の歯胚組織からつくられたタンパク質の一種です。
このタンパク質が、歯が生えてくるときと同じような環境を再現し、歯周組織の再生を誘導します。歯周組織の再生にかかる時間には、個人差がありますが、半年以上経つとレントゲン写真上で確認できるようになります。

リグロスによる歯周組織の再生

歯周組織再生療法

リグロスの成分は細胞を増やす成長因子で、この成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の再生を促進する治療法です。

歯周組織再生療法

治療の進め方

歯周ポケットを改善するための歯周外科手術の一つ、フラップ手術(歯肉を切開し、歯周ポケット内の歯周病の原因が、目で確かめられるようにして根の先の方や、根と根の間にこびりついて取れなかった歯石を除去していきます)で、プラーク・歯石などを取り除いた後の歯槽骨の欠損部にリグロスを塗布し、歯を支えている歯周組織の再生を促します。

リグロスは、医科分野において床ずれや火傷などで失った皮膚の再生に使用されている薬剤と同じ成分でできています。すでに20年近い実績があり、信頼性は確かです。また、2016年9月よりリグロスによる歯周組織再生療法は保険適用となりました。

歯周組織再生療法

リグロスとエムドゲイン、どちらがいいの?

  • リグロスヒトの組織、エムドゲイン動物の組織由来

    短期的な報告ではエムドゲインと比べてリグロスは、歯槽骨の再生能力が高いと言われています。また、保険が適用される分、エムドゲインよりも安く治療できる場合が多いです。

  • 報告や症例数の違い

    こうしてみるとリグロスの方が優位に見えますが、エムドゲインに比べると長期の経過報告が少ない、骨補填材などと組み合わせた場合の効果についてはまだ判明していない部分が多いといったデメリットがあります。そのため、骨補填材などを使用した方が高い効果が見込める場合は、エムドゲインを選択することも多いでしょう。

  • デメリットもあります

    リグロスは細胞を増殖させる効果があるので、口腔がんの既往がある患者様にはお選びいただけません。またリグロスは、比較的新しい治療法のため、治療できる歯科医院は限られているのもデメリットといえます。

  • ご希望をうかがいながら

    このようにエムドゲイン療法リグロス療法、どちらの治療法にも一長一短があります。どちらを選択するかは、検査結果と患者様のご希望をうかがいながら、カウンセリング時にご提案させていただきます。

料金について

歯周組織再生療法

歯周組織再生治療

歯を支える骨や歯肉の歯周組織を回復させることで、歯を残せる治療方法です。

価格
エムドゲイン84,700

リスク・副作用等

エムドゲイン療法にともなう一般的なリスク・副作用

  • 副作用について
    世界40ヵ国以上が使用していますが副作用についての報告はありません。エムドゲインはブタから精製した材料です。安全性は極めて高いですが、これまで報告されていない事象が発生する可能性は否定できません。
  • 治療費がかかる
    エムドゲイン法は保険適用外であるため自費治療となり、治療費が高額になります。
  • 再生できる骨の量が異なる
    エムドゲインは、すべての骨を再生するものではありません。また、再生できる骨の量には個人差があります。
  • 外科手術である
    外科手術のため、多少の腫れや痛みをともなうことがあります。また、出血、神経麻痺、血管損傷、術後の腫れやあざを発症する可能性があります。