理事長ブログBlog

10272018
研修・講演

秋季日本歯周病学会・認定医講習報告 「根分岐部病変の治療に関して」

午後、歯周病学会に参加してきました。午後診療所守ってもらっていたメンバーに感謝です。
 

歯周病学会認定医講習報告

 
今回は大阪歯科大学主幹でリーガロイヤルホテルで行われました。
認定医講習に参加することが出来ました。
今回の内容は「根分岐部病変の治療」についてでした。
根分岐部病変の治療は、術者の考えが出てくるところです。
特にリンデの分類2度の治療アプローチはその先生の考え方が強く出るところです。
演者の先生の話も、自分の日常臨床と比較して大きく差異がありませんでした。
歯周病学会ガイドラインに則った治療を行っていくことを再度確認しました。
 
また医院ホームページでも歯周病治療を噛み砕いて、若手歯科医師・研修医の知識確認や、一般患者様の理解を深めるよう、お伝えできてばと考えています。
 

〜〜〜講演の備考録です〜〜〜

認定医・専門医教育講演「根分岐部病変の治療」
分類より、診断がつけば、治療が決まる。そこにすべてがある。
総合判断して、攻める、創る、見守るのうちどうするか考える。
 
エッセンスは、「歯周治療の指針P56」 にすべてがある。
 

◼歯周治療の指針

図11にあるのは、歯根の状態、骨の状態により総合的に診断。ここに臨床家としての考えが表される。
 

◼以前の、診断と治療の指針2008年と比較して変わったところがありました。

根分岐部病変Lindhe3度→抜歯という治療方針があった。
しかし現在のガイドラインでは載っていない。今の先生は今のガイドラインに則って保存してくれていそうとのこと。
 
ここで、LindheとNymanの分類に関して。下顎はわかりやすいけど、上顎はわかりにくい。3根あるからですね。
 
◼治療法についてもおさらいがありました。

Lindhe1度の治療法

→オドントプラスティ、ファルカプラスティが選択されます。
その目的は清掃性を高めるためです。
 

◼Lindhe2度の治療法

ここが先生によって姿勢が見えるところ。
・歯周組織再生療法
・組織付着療法
・上顎への、ルートリセクションかトライセクション、下顎へのルートセパレーション
 

◼Lindhe3度の治療法

上顎:ルートリセクション、トライセクション。
下顎:トンネリング、ルートセパレーション、ヘミセクション。
 

◼ルートセパレーションの注意!

レントゲンより、骨吸収している事ある。実際には使えないことがある。気をつける。
 

◼ヘミセクション

注意しないといけないことある。抜く方の根をバー入れていく。そのあと、余剰部分を除去するのを忘れない、注意する。
 

歯周病学基礎実習。ぜひ見てください。

ヘミセクション。大切なところ。→ガイドグルーブ。
分岐部の取り残しがないか、確認すること。研磨バーできれいな形態に。ルートプレーニングをしっかり使えるようにする。
 

◼上顎3度の治療例→トライセクション

3根ともルートセパレーション。全部の根残す。
TEKで経過観察。BOPないか判断の後最終補綴へ。FMCの形態はスリムな形態にする。
13年後に破折して抜歯。上顎は条件的になかなか難しい。
 

◼下顎。分岐部のルートセパレーション。

攻める治療だけども→歯根破折に注意が必要です。
 

◼まとめ

診査診断:原因・状況(分類)を正確に知ること
各治療(メリット、デメリット、リスク)適応を検討する
例)清掃性を改善できても歯根破折のリスク上がる
最終的な固定→一口腔単位で考える治療計画
総合判断→攻める、創る、見守る(様子を見る)
ガイドラインをよく読むこと!