理事長ブログBlog

8312023
日々のこと

当法人にご子息様を預けようか検討中の歯科医院をご開業されているお親御様へ

<とくに歯科医院をご開業されている親御様へ>

このホームページをご覧いただきありがとうございます。

今回の内容は、歯学部生、研修医になったご子息様を持っておられる、開業医の先生向けになっております。

 

 

はじめに

私自身現在42歳。娘が2人おります。子供が将来どんなところで働くんだろう、と思いながら筆とっています。

ご子息様の就職先に当医療法人をご検討いただきありがとうございます。光栄です。

最近、歯科医師会や、勉強会で、我が子の就職先を考えている先生とお話する機会があって、志結会の考え方と取り組みをお伝えしようと思い筆を取りました。

周囲の先輩の先生で、お子さんが歯学部に行かれている話を聞いて、羨ましく感じる今日このごろです。こんなに楽しい歯科の仕事を、親子一緒にできたらいいな、すばらしいなと感じています。

というのも、歯科の医療法人っても千差万別で、ほんとうにいろいろな医療法人があることを私も知っています。そして悩まれている親御さんの気持ちもよくわかります。

変なところじゃないだろうか?そこで本当に歯科医師として一人前になれるだろうか?不安を感じる理由が、一親としてもよくわかります。

トップがどのような考えをしているのか、わからない、というのは良くないと感じたので、書かせてもらいます。

法人によっては、いろいろなところがあるので、志結会、理事長尾崎亘弘の考えを共有させてもらいます。

これまでにも歯科医師の先生の、多くのご子息様をお預かりしてきました。その中でつねに念頭においていることがあるのでこの機会に言語化しました。

 

 

このページでは、私が開業医の先生のご子息様をお預かりするときに考えているポイントを5つお伝えします。(今回は、親族間の「継承」という話があるので、具体的に書きましたが、基本的な勤務医の成長を望む姿勢は、まったく同じです。親御様の職業で、勤務医を差別する、えこひいきする意図は一切ありませんのでご了承ください。)

1)プライベートな親子関係を大切にする。

2)親の継承を前提に、研鑽を積む。

3)自分の好き!を見つけてもらう。

4)歯科医療人として、経済的にも、精神的にも豊かになれることを目指す。

5)地域貢献に生きる。

 

1)プライベートな親子関係を大切にする。

将来継承を考えられていると思います。私はこれに賛成します。

その前提として、一個人として、親子関係が良好であってほしいと願っています。

なぜなら、継承で逆に、親子関係が険悪になっているケースを多く見受けるからです。

親子関係が崩壊して、継承をするのは、寂しい、悲しいと感じます。

なので、親御さんを大切にすることを伝えています。そして、それを念頭に歯科医師人生を考えるように指導しております。

2)親の継承を前提に、研鑽を積む。

先程もお伝えしたように、継承、賛成しています。親御様の意志を継いで、地域医療を実践する。そのために、歯学部を選び、難関な国家試験を突破し、地域歯科医療の道に進んだと思います。

私は地域医療に貢献できる歯科医師を100名輩出して行くことを念頭にアクションをとっております。

その時には、ご実家の親御さんの診療への姿勢を診ることと聞いています。

親御様の歯科医師としての想いを理解して、それをさらに昇華して次世代に継承するお子様のミッションだと思っています。

自分がしたいことだけするのであれば、自分で開業したほうがいいと思います。でもこれまで自分が生まれ育ってきたのは、親御様が歯科医院で患者様へ診療をされ、支えてきてくれたから今があると思います。

多くの恵まれた環境で育ててもらい、歯学部に行かせてもらい、今歯科医師になっています。自分の環境に目を配ってほしいと思います。

親御様が継承を臨まれるのであれば、それに応えて上げてほしいと思い、お子様にはお伝えしています。

ただ、これから医院を継承するご子息様はこれから2040年、2050年を生きていいきます。なので、場合によっては、移転の話は日常会話の中でさせてもらいます。もしここに関してお伝えすることがありましたら

3)自分の「好き」!を見つける

先生もきっと自分の好きな診療があると思います。義歯が燃えるんだよね、感染根管治療で病変が小さくなるとやった!!って思う、10年たっても一緒に人生共にできているのが一緒に生きている感じがして良いんだよね、いろんな自分の「好き」があるとおもいます。私は、それをご子息様に見つけてほしいと思っています。

まず一通りの保険診療ができて、自由診療に関して実際にどのようにしているか分かることがスタート地点だと思います。そしてそこから先に自分の好きなことを見つけていく段階だと思っています。多くの診療内容や、多くの勉強会、多くの学会の認定医取得ができる当院の強みだと思います。

ここでは、多くの

また、親御様、本人にこの分野を強みにしたい!と明確にすでにある方も大丈夫です。勉強の環境と、機会を最大限配慮いたします。

私も診療は大好きです。新しいことに挑戦することも、症例検討も大好きです。また患者様の成長と共にあれることも幸せだと感じています。

自分の「好き」がある歯科臨床ほど、楽しい人生はないと思っています。

4)歯科医療人として、口腔の健康のプロフェッショナルとして、経済的にも、精神的にも豊かになれることを目指します

私は、当院の勤務医の一人ひとりが、口の健康のプロフェッショナルとして、幸せになって欲しいと本気で願っています。幸せを因数分解して言い換えると、経済的も豊かであって、精神的にも豊かであることだと、私は定義しています。歯科医師として勤務されるご子息様にもそうあってほしいと本気で願い、そのためのアクションを院内生活でとるようにします。

逆に、経済的に満たされておらず、精神的にも満たされない人生を送ってほしくないと願っています。それは、志結会にいるときもそうですし、これからの生涯通じて満たされない人生を送ってほしくないと本気で思っています。

そこで、ご子息様とは、将来にわたっての人生計画を一緒に立てます。これは入職時にまず大まかなこれから実現していきたい夢を確認します。そこから初月、3ヶ月、6ヶ月。1年、2年、3年と節目で3日間しっかり時間をとって、ご子息様の将来設計を考えることをサポートしていきます。

ベースにあるのは、心理学で言うところの「マズローの欲求5段階プラス1説」です。

少しここに記します。基本的に、1番目の欲求から順番に満たされていく、そして下位の欲求が満たされていない場合、上位の欲求を満たすことは困難とされています。これを歯科医師として、満たされていくサポートをします。

1.生理的欲求:食欲、睡眠欲、性欲の3大欲求や、呼吸がしたい、水を飲みたい、トイレにいきたいという、生きていく上でさけることのできない欲求です。歯科医師であるご子息様はこれはクリアしています。

2.安全欲求:安全に健康に生きていける、衣食住満たされ、生活に必要なお金など。安心して生活するための最低限必要な要素。これもクリアしています。

3.社会的欲求(所属と愛の欲求):社会や周囲の人に受け入れられたい。集団に所属したい。友人がほしい、話し相手がほしい、結婚したいなど。ここで、歯科医院や、勉強会で、受け入れられるだけの仕事が出来ることを目指します。

4.承認の欲求:集団の中で認められたい。仕事を褒められたい。自分の仕事で達成感を感じたい。周囲からの称賛と、自分で自分を認められること。院内で高いパフォーマンスを発揮する、専門医を取得する、後輩の指導でも一目置かれる。ケースプレゼンテーションで優秀で勉強会で認められる。

5.自己実現欲求:自分らしく生きることへの欲求。自分の仕事のパフォーマンスが、自分の人生を満たせれる。自分の人生で行いたいことが実現できている状態。ここを勤務医のときに体感出来ることを目指します。すくなくとも、自分の自己実現の水準を知った上で、それを達成できる開業の姿が明確にイメージできることを目標に据えます。

プラスα.自己超越:見返りを求めない貢献に喜びを感じる。「世界を平和にしたい」「貧困をなくしたい」など、スケールが大きく自分1人では難しい社会の問題に向き合う。これが開業することの意味だと思っています。歯科医師会に入り、世のため人のため、地域医療に貢献していく。自分ひとりではできないことが、歯科医師会という組織の力で実現していけると思っています。

この階段を登っていくサポートを医療法人志結会はしていきます。

5)地域貢献に生きる

私の願いは、開業する時歯科医師会に入ってもらうことがあります。なぜかというと、私は、地域医療に貢献できる歯科医師を100人輩出したいと考えているからです。開業してすぐに地域医療にもっとも貢献できるのは、歯科医師会に入会して活動することだと思います。そこでは、成人歯科健診や、小児歯科検診、地域の学校医、介護認定、地域包括ケアシステムでの役割などなど多くの役割を担っています。これはほとんどボランティアみたいなものかと思います。

しかし、ここに上げてきたような努力のすえ、大きな経済的見返り、精神的見返りを得た歯科医師として、それを世の中に還元するべきだと私は考えています。「ノブレス・オブリージュ」高い社会的地位には義務が伴うというフランス語です。ご子息様にも歯科医師としてもここまで成功を納めてほしいと願っています。

歯科医師会を挙げさせてもらいましたが、これが大学同窓会でもいいと思いますし、スタディーグループでも良いと思いますし、学会の役員でもいいと思います。なにかしら、歯科医師として貢献の人生を歩んでほしいと思っています。

これは、マズローの欲求5段階説プラスαでの、「プラスα」にあたります。欲求は低次から順に高次へと満たされていきます。最後の欲求を本当に満たすそのためにも、下の欲求は満たせる必要があります。

私はここまで、ご子息様をサポートしたいと、強く願っています。

 

勤務期間は、どれくらいの年数を想定しているのか?

5年を一つの期間として考えています。これは5年予後を知れる、認定医取得、技術研鑽、スタッフ指導能力(最低限の院内スタッフマネジメント能力)を意図しています。技術と知識、最低限のマネジメント能力を習得するのに一朝一夕では不可能だと思っているからです。当然、ご家庭では、親族の体調の関係で、早期卒業することもやむを得ないことも良く理解しております。

1年目で保険診療に触れる、体験する。研鑽を積む。認定医、専門医を見越して学会に入会。

2年目で、保険診療の質と量を上げる。インプラント、審美修復、矯正などの自由診療にも取り組みはじめる。認定医、専門医を見越して症例を選び始める。後輩歯科医師指導。

3年目で、大きなケースが仕上げられる。スタディーグループでも発表をする。その経過を見始める。認定医、専門医を見越して症例を完成させる。

4年目:自分の方向性をある程度明確にする(GPを極める or 得意分野を深める)。後輩やスタッフ教育ができる。認定医、専門医を見越して資料を揃える。医局長クラス。スタッフマネジメントについても配慮。

5年目:大きなケースの3年予後が追える、保険診療での5年予後を知ることができる。認定医、専門医の申請、試験を受ける、合格する。視野を世界に向けて、海外の研修も参加する。

決して楽な道ではありません、

しかし、当医療法人での勤務医生活を通じて、必ずご実家を継がれるときには、親御様の意志をついで、これからの時代を生きていく歯科医師としての見識をもち、自分の好きな歯科診療・強みをもち、自分が院長になったときに社会的に成功できるだけの要件を満たし、社会貢献でき、そしてなにより、親子仲良くあれることを確信しています。

それをサポートするのが、私の仕事だと思っています。

 

<最後に>

そして、最後にとても私的な理由も一つあります。お前何考えているんや、とよく言われます。めちゃくちゃ書いているんですが、もっと私的な理由を知りたい方も多いようなので、応えておきますね。

それは、今はまだ小学生の娘2人がもし、歯学部に進学し、歯科医師になることがもしもあったときに、、、、、。胸を張って、お父さんの創った医療法人志結会で研鑽をつんだら、一流の歯科医師もしくは、地域医療に貢献できる全人的な歯科医師になれる、人間として豊かに成功する人生が歩める。そう胸を張って確信を持って言えるようにしたい。

そうなっている医療法人を作っていきたいと思います。100年続く医療法人として、たとえ私が死んでも、そのマインドがこの志結会の中に継承されてほしいと願ってこのブログを書いています。非常に個人的な理由でした。

もし質問や、聞きたいこと、ご要望がありましたら、ぜひ渡しまでなんなりとお伝えいただければと思います。