理事長ブログBlog
歯学部生・研修歯科医師・若手Drが開業前に知っておくべき「お金」の知識(社会人編)
<歯学部生・研修歯科医師・若手Drが開業以前に知っておくべきお金の知識(社会人編)>
研修医の先生は、歯学部を卒業して、研修歯科医師として働いていることでしょう。
立場が変わることでもっとも大きく変わったことは、何でしょう?
給料をもらうようになったということです。
学生から、社会人に変わって、これから自分の力で生きていく、人の力を借りれるようになる。
とくに、開業のための具体的な話に入る前に、社会人として最低限知っておいたほうがいい内容をお伝えます。
※リクエストがありましたら、今後、開業・継承と出口戦略のために必要内容は書いていきたいと思います。
<はじめに>
無知はコストです。
今日の内容は、優秀な若手歯科医師から質問された内容
「将来、結婚して継承して、仕事も家庭もうまく成立させたいと思っています。臨床は頑張っているのですが、将来のお金どれくらいかかるのか不安が一定残っています。見通しをつけるために勉強しておいたほうがいいお金の話ってありますか?」
この内容にお答えします。
5年目までと銘打っているように。
第一義は、臨床の勉強だと思っています。
しかし20代の前半で、自分の人生や自分の人生にかかるお金のことを知らなくて、自分の生涯設計をできずに40代を迎えてしまってこまっている歯科医師も知っています。
勉強時間はおよそ100時間です。
臨床:生涯設計10:1で勉強する期間があってもいいと思っています。
一度勉強して、フレームワークが頭の中に入っていると、これから出くわす、お金のトラブルに対して、すべて対処することができるようになります。
歯学部生・歯科医師だけでなく、日本人がみんな知っておいたいいと思う内容です。
FP3級は、日本人として、日本で生きていくうえで、お金にまつわる必須の知識を学べます。
簿記3級は、歯科医院を経営していくうえで必須になる、お金の処理の仕方を学べます。
今回は、歯科医師として大人として生きていくうえで重要なお金の知識をFP3級の内容にそってお伝えしていきます。
学生時代に勉強することも有りです。
<生きている時代が違う>
今を生きる先生は、これまでの先生とは違う時代を生き抜いていかなければなりません。
かつては朝6時から歯医者さんに患者さんが並んでいた時代。
IT、AI、クラウドなんて微塵もないアナログの時代。
領収書の発行もなかった時代。
今より強力な医師優遇税制のあった時代。
保険診療が無料で受けれた時代。
サラリーマンが1割の時代。
訪問が導入期された時代。
インプラントのバブルの時代。
今はアライナー矯正のバブル。今は、それがどんどん、厳格化、適正化されてきています。
歯科医師である私たちは、時代の変化に併せて、成長して、時代に求められることを、歯科医療として高水準で多くの患者様に提供できることが、正しいと考えています。
その中で、自分の生き方として、家族を持つ者として、経済的な見通しをつけて置くことが重要だと思っています。
見通しをつけなくても、いくらでも将来の見通しが立つくらい経済的に恵まれた時代があったかもしれません。
しかし、2020年代、さらに高齢化の進む日本社会2040年へかけて、自分で自分の人生の見通しを立てることが重要な時代になると思います。
<ファイナンスの基礎知識が無いことで不幸になる歯科医師>
お金のことを理解せず、変な投資に手をつけてしまう。
稼げるから、その分ギャンブルにつぎこんでしまう。
独り身だから、キャバクラにお金を注ぎ込んでしまう。
60代になったとき、体力の衰えと、貯金ができておらず、老後困っている歯科医師の話、何人も見聞きしてきました。
正しい最低限のファイナンスに関する知識を身につけることで回避できることがたくさんあります。
<プロ野球選手でも考えるファイナンシャルプラン、ライフプラン>
プロ野球選手でも、ファイナンシャルプランを考えています。
選手によっては選手人生のあとの生き方を考えています。
でもあまり考えられなくて、引退後に人生転落している方もいたりします。
ごく一部の、突き抜けた技術を持ち合わせた先生は、気にしなくてもいいかもしれません。
それは、野球選手における大谷選手のような存在です。しかしそんな大谷選手でも、将来について、強いバックボーンがついてサポートしてくれています。
普通の日本のプロ野球選手であれば、プロとしての仕事をするのと同時に、現役引退後のライフプランを持ったほうがいいと思います。
普通の歯科医師も、良識をもって、自分の経済的な人生プランを考えておいたほうがいいと、私は思います。
<勉強しておくと良い資格>
FP3級:日本で家庭人として生活するうえでのお金の必要最低限の知識を効率的に学ぶことができます。
簿記3級:開業してのお金の流れが理解できます。税理士さんと話をするとき、会計資料を提出するときに、ルールがわかります。
私は、開業してから、非常に多くのお金に関する勉強をしてきました。MBA単科生、経営塾、FP、簿記多くの学びをしてきた中でのエッセンスとして、
卒後5年目までの先生にぜひ学んでおいてほしい内容として、
FP3級、簿記3級をオススメします。
簿記3級は高校生でも取っていたり、FP3級は普通の会社員や主婦の方も取っている非常に一般的な任期のある資格になります。
<知っておいたほうがいい先生>
歯学部学生さんで、社会に出たときどんなことを知っておけば良いのか、漠然とした不安がある人。
歯科研修医さんで、自分の将来へ、漠然とした不安がある先生。
若手歯科医師で、結婚、出産育児・教育、不動産購入したマイホーム、賃貸か不動産購入した開業するのか、老後の貯蓄がどれくらい必要か、親の介護のためにどれくらいの費用が必要なのか。いまいちピンと来ていない先生
給与明細書の見方がいまいちわからない先生。
NISAってなに??ふるさと納税ってなに??て思う開業医の先生。
<知らなくてもいい先生>
家が富豪、すべて専門の資産管理のコンシェルジュがいる先生(確実に管理されている先生)。
自分で財団を持っていて、資産運用に関しては、完了している先生(確実に管理できている先生)。
完全に支出と収入を把握していて、100歳までの経済的目処がついている先生(確実に管理できている先生)
<歯科医師としてFPを知っておくメリット>
日本で生きていくうえで、社会人として、歯科医師として、どれくらいの費用が必要なのか、知ることができ安心が得られます。
自分が結婚や、育児、マイホームや教育資金、どれくらい必要か見通しが立てられる。
上記のことに関して、人生の見通しがつき安心して、臨床・仕事に邁進できる。
知らなくてもなんとかなるよ、という先生がいることも理解しています。
それはこれまでの時代だからです。
「無知はコスト」
知らなくても良いかもしれません、しかし、知っておくことでよりよい人生の選択ができたり、払わなくてもよい費用を払わなくてすむかもしれません。
<歯科医師5年目までに知っておきたい個人としてのファイナンスの話>
大きくFP3級の内容をベースに見ていきたいとおもいます。
大きく6つの分野があります。
A ライフプランニングと資金計画
B リスク管理
C 金融資産運用
D タックスプランニング
E 不動産
F 相続・事業承継
簡単にまとめたら、勤務医時代に歯科医師として、
☆(A)子供の学費や老後の資金まで含めた家族の一生涯分のお金の計画を立てられ、
☆(B)人生のメジャーなリスク管理が出来て、
☆歯科医院や家という不動産に関して見通しがたてられ、
☆金融資産に関しても正しい知識を元に運用ができ、
☆税金(タックス)に関して正しい知識をもち胸を張って納税し国や地域にも貢献し、
☆親からの相続や医院継承や、将来の我が子への相続や医院継承に見通しが持てる。
これを目指します。
歯科医師としての生活のほとんどの事象を網羅しています。
今回の内容に興味がありましたら、ぜひ尾崎亘弘までコンタクトください。
各分野を簡単に見ていきます。
ファイナンスに関する6分野ってなに??
A ライフプランニングと資金計画
ここでは、歯科医師として生涯設計において、どのようなライフイベントを配慮しないといけないか考えていきます。
またお金に関連する関連法規を知っておくことで、上手にお金を取り扱うことができるようになります。 歯科医師の場合、一般の社会人以上に多くのお金を取り扱う必要がでてきますので、ライフプランニングの考え方・手法を十分に理解しておく必要があります。 社会保険に関して、どのような枠組みの中で自分が保険を払っているのか、社会人として重要です。また歯科医師として治療をしていくときにどのように患者様が支払いをしているのか、そのお金の流れを理解しておくことは、医療者として、患者様に寄り添う上でも重要な理解になります。 私達は、公的年金にも加入します。その上で、介護保険や年金を将来自分や、自分の歯科医院の従業員が受け取るようになります。 現在の公的年金だけでは不十分で、企業年金・個人年金等に入ることを検討される先生もいます。どのようなケースでは入ったほうがいいのか、どのようなサービスがあるのかも把握しておくことが重要です。 ライフプラン策定上の資金計画は歯科医師として生活していくうえで非常に重要です。開業と、教育資金、住宅、老後の資金をどのように確保していくのか、把握しておくことで、安心して、仕事をしていくことができます。 開業すると、多くのローンとカードの利用をしていくことになります。十分な理解をしておかないと資金ショートしてしまうおそれがでてきます。
B リスク管理
歯科医師には、人生の3大支出+1があります。(1)育児・教育資金、(2)マイホーム資金、(3)老後資金そして(4)開業資金。
それらをどのように確保していくのか、またそのための資産形成時にどのようなことに気をつける必要があるのかを見ていきます。
長い社会人生活・歯科医師生活をしていくとき、リスクマネジメントが重要になります。責任ある大人として、また家庭人として、リスクをどのように分散するかが問われます。 保険制度として、生命保険、損害保険、第三分野の保険があります。
よくあるケースとして、生命保険会社の人に勧められるがママ、貯蓄性の高い保険に必要以上に入ってしまっているケースもあります。
自分と自分の家族に必要な保険、その保険がカバーする範囲は、ライフステージによって変わってきます。適切なリスクをカバーする保険を上手に選択していきましょう。
C 金融資産運用
歯科医師として、成長しいていき、経済的な見返りが得られるようになってきたとき、多くの金融に関する誘惑がよってきます。
私の歯科医師人生20年の中でさえ、多くのおかしな投資商品に手を出してしまい、資産を失う先生を数多く見てきました。
正しい金融資産の運用の仕方について知ることは、歯科医師の場合さらに重要度が増していると考えて差し支えありません。
まずは、マーケット環境の理解をする必要があります。
そして預貯金をどれくらい用意しておくか、検討が必要です。
投資信託、債券投資、株式投資、外貨建商品、保険商品、金融派生商品にどのようなものがあるのか、その特徴、長所と短所について知っておく必要があります。貯金でおいておくのが正しいとは限りません。 そのうえで適切なポートフォリオ運用が求められます。あくまで「投機」ではなく、「投資」として運用していることが重要です。 また金融商品への税金も、変化してきています。 セーフティネットや関連法規にどのような物があるのか理解したうえで、運用をしていきましょう。
小金を持つようになり、正しい知識がないことで、金融資産の投資で、失敗している先生がたくさんいます。前提条件として、正しい金融知識を持つようにしましょう。
P.S. 20代・30代は、金融投資より、自己投資
少し話がそれますが、20代・30代で最も大きいリターンを生むのは、自己投資です。金融投資では有りません。これだけは断言できます。インプラント研修に500万投資して、自分が生涯で年間10本だけ埋入して30年歯科医師をするならインプラント1本50万円として、生涯インプラント治療から得られる金額は1億5000万円になります。実に、3000%のリターンになります。そのような商品は存在しません。20代、30代は、どんなに大変でも自己投資をしましょう。
D タックスプランニング
働いていく上で税金のことは避けて通ることができません。
勤務医をしていると、多くの税金のことは、勤務先に法人が処理してくれています。
しかし、自分で歯科医師で開業する・継承する場合は、個人事業主として、すべて自分が対応する必要があります。
税理士さんに頼むにしても、前提となる予備知識がないと、話をすることさえできません。
更に、法人化するか、など考えることがでてきます。
日本の税制について知り、とくにまず勤務医をするうえでの所得税の仕組みを十分に理解しましょう。
将来自分が開業したときに自分自身や従業員の所得税を出す必要がでてきます。
また所得は多くの得方があります。
各種所得の内容を理解していきましょう。
勤務医のときに、損益通算、所得控除、税額控除、所得税の申告と納付、個人住民税について理解しましょう。
将来自分が従業員に対して伝えていく(もしくは専門家に伝えてもらう)必要が出ます。
開業したら、個人事業税について考えていく必要があります。タックスプランニングの最新の動向も常に押さえておくようにしましょう。
税金について正しく知り、適正な納税を通じて、日本や地域をよくしていくことができます。
E 不動産
人生の3大支出+1のうち、マイホーム購入と開業では、「不動産」を扱います。
マイホームや開業にしても、生涯、「賃貸」がいいのか、「不動産を購入」したほうがいいのか考えていくためのベースの知識が必要となります。
歯科医師・開業医として、不動産の見方がわかることは重要な要素になります。
結婚して居を構える、また開業するとなるとと、大きな金額の不動産の取引を必ずすることになります。
不動産に関する法令上の規制、不動産の取得・保有に係る税金、不動産の譲渡に係る税金、不動産の賃貸についての理解を深める必要があります。
将来的に、自分の資産を不動産化することもでてきます。
その際の不動産の有効活用も 資産運用における、証券化された不動産を持つこともあるかもしれません。
数年から数十年における、不動産の最新の動向を頭の片隅で、把握しておきましょう。
F 相続・事業承継
歯科医師の場合、親からの相続、また子への相続が難しくなることがあります。
正しい知識がないと、親からの相続のときに、歯科医院を手放さないと行けないことになる場合もあります。
贈与と法律、税金があります。
相続と法律、税金があります。
不動産以外の相続財産の評価や、不動産における相続財産の評価、不動産の相続対策など、相続を考える時に不動産は重要なウェイトを占めています。
相続と保険の活用についても理解を深めておき、相続・事業承継の最新の動向へも目を配るようにしておきましょう。
ここから各論です>
ファイナンシャル・プランナー3級の出題基準から、ピックアップしました。
この内容を一つづつ述べていくと非常に時間がかかるので、重要な用語とその説明のみ、記載します。
もし知らない用語があったら、ぜひ調べてみてください。
A ライフプランニングと資金計画
1.ファイナンシャル・プランニングと倫理
2.ファイナンシャル・プランニングと関連法規
3.ライフプランニングの考え方・手法
4.社会保険
5.公的年金
6.企業年金・個人年金等
7.年金と税金
8.ライフプラン策定上の資金計画
9.ローンとカード
10.ライフプランニングと資金計画の最新の動向
B リスク管理
1.リスクマネジメント
2.保険制度全般
3.生命保険
4.損害保険
5.第三分野の保険
6.リスク管理と保険
7.リスク管理の最新の動向
C 金融資産運用
1.マーケット環境の理解
2.預貯金・金融類似商品等
3.投資信託
4.債券投資
5.株式投資
6.外貨建商品
7.保険商品
8.金融派生商品
9.ポートフォリオ運用
10.金融商品と税金
11.セーフティネット
12.関連法規
13.金融資産運用の最新の動向
D タックスプランニング
1.日本の税制
2.所得税の仕組み
3.各種所得の内容
4.損益通算
5.所得控除
6.税額控除
7.所得税の申告と納付
8.個人住民税
9.個人事業税
10.タックスプランニングの最新の動向
E 不動産
1.不動産の見方
2.不動産の取引
3.不動産に関する法令上の規制
4.不動産の取得・保有に係る税金
5.不動産の譲渡に係る税金
6.不動産の賃貸
7.不動産の有効活用
8.不動産の証券化
9.不動産の最新の動向
F 相続・事業承継
1.贈与と法律
2.贈与と税金
3.相続と法律
4.相続と税金
5.相続財産の評価(不動産以外)
6.相続財産の評価(不動産)
7.不動産の相続対策
8.相続と保険の活用
9.相続・事業承継の最新の動向
<FP受けてみるとしたら難易度は?>
安心してください、歯科医師国家試験より簡単です。
テキストも1冊です。問題集も1冊です。
Youtubeでも無料で講義があります。
口腔外科の過去問を全部解けるようになるよりも簡単です。
およその勉強時間は100時間だと言われています。
余力のある方は、知っておいて損はありませんし、一生役に立ちます。受験もオンラインで全国の開場でいつでも受けることができます。
<最後に>
勤務医として自分の将来のファイナンスについて知っておくことで、計画的な人生設計ができます。
ファイナンスプランニングができることで、結婚や育児、開業、家の建築、老後の心配が減ります。
自分の人生を豊かにして、周りの人を豊かにする人生を送ることができます。
もし質問や、興味関心のある先生は、私のインスタ、FBメッセージへぜひご連絡ください。
参考図書:
お金の大学:Youtubeでも話をしています。オススメです。