理事長ブログBlog

4182024
日々のこと

歯科技工士国家試験に合格しました。歯科技工士として、歯科界を良くしていきます。

歯科技工士国家試験に合格しました。そして、歯科技工士の業界を良くしていきます。歯科技工士さんがいての歯科界です。

 

開業時からお世話になっている個人で経営される歯科技工士さんの技工料を5%上げさせてもらいました。

 

至る経緯を説明と思いをシェアしたいと思います。

 

長文です。人によっては不快に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

歯科業界が良くなって欲しいと思っている方で、お時間ある方だけお読みください。

 

はじめに、、、

 

私自身、歯学部学生時代から20年以上歯科の世界に関わらせてもらいました。

 

歯科医師として、大阪大学で村上伸也教授、山田先生(現東北大学大学院歯学研究科教授)の共で研究に関わらせていただき歯科博士を取らせてもらい、歯科保存学会保存専門医として、地域医療として、少しでも歯を残せるように、という信念のもとに開業しました。

 

一地方での開業医、歯科医師として、修復治療、矯正治療、インプラント治療、予防歯科の実践をしてきました。すべては、患者様の歯を残したい、豊かな人生を提供できることを目的にしてきました。

 

開業して、そのためには、歯科医師、歯科衛生士、トリートメントコーディネーターにも自分詩人の歯科医院のメンバーにも、高いパフォーマンスには、十分な対価がもらえる必要があると考え、多くの改革を行ってきました。従業員も豊かな人生を手に入れることができるように考えての取り組みでした。

 

今年8月、医療法人志結会は、2024年8月おざき歯科医院開業から数え、10期目を迎えます。

 

多くの患者様と、スタッフの力に支えられて、志結会は、成長してくることができました。

 

2023年は、個人的にも多くのことがあり、自分の人生や、今後の人生を考える年でした。

 

2024年3月に、歯科技工士の免許を取得しました。歯科業界、歯科技工業界に、私自身が思うところがあり、歯科技工士の免許を取得しました。

歯科技工士という立場での活動もしていきたいと思います。

 

どうして私は歯科技工士になったのか?

 

びっくりされることが多いです。なんで取ったの。

 

歯科医師は、歯科技工もできるし、歯科技工所も開設できるからです。

 

でも歯科技工士さんの立場で、考えにくいんですね。少なくとも僕はそうでした。本当に歯科業界を良くする、歯科技工士さんの立場が良くなるには、自分がなったほうが早いと感じました。

 

当事者意識を持てるかと思ったからです。

歯科臨床と、歯科業界という2つの観点で、歯科技工士として、歯科業界に関わって行こうと思った理由をお伝えします。

 

 

理由1つ目:これからのデジタル歯科医療の推進のため

私自身、歯科医師として、歯周病学会や歯科保存学会という歯科保存領域の畑で生きてきて、相対的に補綴や技工に対しての理解が少ないと感じていました。

臨床家として、歯科技工は、歯科技工士さんにお願いしてきました。でもそれは、よくわからないから、お願いという名の丸投げだったかもしれません。

 

少しでも、歯科補綴や歯科技工を理解したいと思ったからです。

 

また、現在、私自身も勉強させてもらっているスタディーグループMID-Gでもデジタルへの知識をどんどん深めていっています。デジタルコースを開催し、デジタル歯科の進展とその理解のために、歯科技工や歯科補綴に対する前提知識は必要不可欠とも思いました。

 

現在の歯科技工士の学習内容に、デジタルに関する内容は非常に多くあります。

 

IOSからのCAD/CAMも、3Dプリンティングも、ダイレクトアライナー矯正も、フェイススキャンベースドな補綴治療も、デジタル咬合器・顎運動も、すべて、技工に関する知識が関係してきます。

 

理由2つ目:これからの歯科技工士の地位向上のため(ひいては魅力的な歯科界の創造のため)

歯科業界を形成する国家資格の一翼を担う、歯科技工士の地位向上を、歯科技工士の立場と、歯科医師の立場で取り組んで行きたいと思っています。

 

私自身お世話になった、歯科業界が良くなってほしいと本気で思っています。

 

いきなり、歯科業界を良くすることはできません。まずは、インサイド・アウトで、自分の医院からだと思っています。

 

厚生労働省も、点数配分によって、歯科医院が取引する外部の歯科技工所への技工料の改善をお願いしています。

https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001238902.pdf

https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/000896783.pdf

https://www.nichigi.or.jp/site_data/nichigi/files/chibakenshi_flyer.pdf

歯科技工士の業務内容の見直しに向けた調査研究 | 厚生労働科学研究成果データベース厚生労働科学研究成果データベース MHLW GRANTS SYSTEM https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/145650

 

今、私に歯科医師、歯科技工士として出来ること。

 

今回、まずは、私がお世話になっている、技工士さんの技工料を5%アップさせてもらいました。

 

保険の技工をお願いしている、2箇所の技工料をアップしてもらいました。保険診療での、義歯の技工士さん、クラブリの技工士さんそれぞれにお願いをしました。

 

歯科技工士という立場で考えたとき、、、、。技工料を上げたいけど、仕事がもらえなかったらどうしよう、、、。どうしても上げて欲しいといいにくい環境があります。

 

歯科医院と共に成長して、関わってきてくれた技工士さんへの還元をしたいと思いました。

 

正社員だったら給料は上がっていくのは普通だが、取引先の技工料は上がらない。大手の技工ラボであれば、値上げもできるが、個人でしているところは、なかなか切り出せない。

 

正直、自分自身を恥ずかしくも思いました。

 

技工料を上げてもらえたらな、、、って気持ちを、自分が歯科技工士にならないと感じれなかったからです。

 

当然、歯科医院を経営をするうえでは、外注費である、歯科技工料が安いに越したことはないからです。ポジションからそう考えていました。

私自身、その程度の器でした。

環境が人を形成するということを実感しました。

 

まだまだ、自分の視野の小ささと、器の小ささに恥ずかしくなりました。

 

その分は、公共政策や医療経済学を学び口腔機能の維持回復から健康寿命の延伸、医療費の軽減となれるようにアプローチしていきます。また、歯科医院での満足度と生産性向上という経営努力を行っていきます。

 

自分が率先垂範することで、一人でも賛同してくれる歯科医院が現れてくれたら嬉しいと思っています。

 

 

これからの歯科業界や日本を良くするために、身近なところから取り組めること

 

法人での従業員の価値の向上

私自身、40歳を超えました。歯学部学生時代から20年以上、歯科の世界に生きてきました。

今は、歯科医師人生の折り返し地点だと思っています。残り20年で歯科業界とそこから日本を少しでも良くしていきたいと思っています。

 

まずは、身近な自分の歯科医院から。

それぞれの職種において。

 

新人歯科医師が5年で、それぞれの地域で継承・開業して開業歯科医師として成功できるサポートをしていきます。志結会が卒後歯科医師にとって成長できる場にどんどんしていきます。新人ドクターの成長に協力してくれている、勤務歯科医師、メンバーに感謝です。

 

歯科衛生士が、現在の看護師さんのような社会的地位を得られるようにしたいと思っています。それだけの価値のある仕事だと本気で思っています。

 

パラメディカルにもキャリアを。私は現在、志結会で、パラメディカルスタッフ(歯科助手、クリンネススタッフ)が、自分の人生を切り開いていけるようになる支援をしています。パラメディカルとしてのキャリアを重ねることと合わせて、

(1)志結会から、国家資格である歯科衛生士取得奨学金(条件を満たして返済不要となる最大150万円支給)を得て歯科衛生士になる、

(2)歯科医療・歯科臨床にさらに深く関わるトリートメントコーディネーター、

(3)法人運営、ホワイトワーカーとしての働きができる事務局勤務

というキャリアパスの道を作ってそれぞれの道を歩んでいます。

 

個人としての研鑽

私はあくまで保険診療と自由診療を行う、地方の1開業歯科医師です。

 

私自身、在宅医療の実践、内視鏡検査の勉強、アライナー矯正、デジタルインプラント臨床、CERECを用いた院内でのワンデートリートメント、そして地道な保険診療という歯科臨床を実践しています。

 

電子カルテ化、デジタルサブカルテの実施、ペーパーレス化、生成AIと院内データベースの活用という歯科医院における歯科医療のDX化進めていきます。

 

歯科への勉強と実践に並行して、経営学と医療経済学、公共政策の理論も勉強していきます。歯科国家資格者の地位向上、日本国民に貢献できることでの歯科医療の地位向上、日本の医療費の適正化を目指していきたいと考えています。

 

最後に、、、。win-winをめざして

 

歯科業界を形成する、国家資格である、歯科医師、歯科衛生士、また資格は無いけど多くの仕事を担う歯科助手に明るい未来を、と考えています。

そこに、医院とともに歩んでいただいている歯科技工士の未来も明るいものにしていきたいと思っています。その先に、日本の復活を目指していきたいと思っています。

 

歯科技工士さんも含めた歯科業界がよい業界になって欲しいと思っています。

その先に健康寿命の延伸、世界の中でモデルケースになれる歯科医療が実現できるようになって欲しいと思っています。

日本の保険医療制度が世界から称賛される日がきて欲しい。持続可能な社会として世界の手本となる日本の復権につながって欲しい。

 

最後に、私の人生の師である歯科医師、泉佐野泉南歯科医師会会長、KISW会長の若松宏幸先生の言葉を紹介させてください。

 

「Win-winにならなあかん。自分だけが良くなるのはあかん、みんなが良くならんとあかん。」

ずーっと頭の中にこの言葉があります。

 

自分にできることから実行して行きたいと思います。

その先に、歯科業界が、口の健口を確立できる魅力的な業界にさらになり、健康寿命の延伸、医療費の軽減・国家財政の負担の軽減、日本の未来が良くなると信じています。

もしかしたら、叩かれるかも、かっこいいこと言ってとか、偽善だと言われるかも、そんなこと考えている余裕あるか!!と批判もでてくるだろうなと思いながらも、書きました。

 

もし拙いこの文章を読んでの感想ありましたら、ぜひコメントいただけると嬉しいです。

賛否あると思いますがどの意見も、今後の私の歯科医師としての臨床やスタディーグループ、歯科医師会での活動や、歯科技工士としての臨床や活動、衛生士学校の講師など、取組の糧にさせてもらいたいと思います。