理事長ブログ
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医療的ケア児と家族の暮らしを、歯科からどう支えるか
地区の研修を受け、医療的ケアが必要なお子さんとご家族の暮らしについて考える機会がありました。歯科として何ができるのか。まずは、毎日の生活で何に困っているのかを聞くところから始めたいと思います。
必要な支えは、一人ひとり違う
医療的ケア児とは、人工呼吸器や胃ろうの使用、たんの吸引などの医療的ケアを日常的に必要とするお子さんのことです。こども家庭庁は、医療だけでなく、福祉、保健、子育て支援、教育などが連携する必要性を示しています。[1]
同じ言葉で呼ばれていても、必要なケアや暮らし方は一人ひとり違います。僕は「医療的ケア児だから」とまとめて考える前に、そのお子さんの普段の様子や、ご家族が大切にしていることを教えていただきたいと思っています。
お口の困りごとも、生活の中で考える
米国小児歯科学会の2026年の推奨では、特別な医療上の配慮が必要な方の歯科診療について、全身の状態や感覚への配慮、受診を妨げる要因を考えることが示されています。治療されていないお口の病気は、痛みや機能の問題につながり、生活にも影響します。[2]
この推奨が対象とする人々の範囲は、日本でいう医療的ケア児と完全に同じではありません。それでも、歯だけを見て診療を組み立てず、必要に応じて医科主治医や他の歯科医療者と相談する考え方は、参考にしたいところです。[2]
たとえば、歯磨きのときに何が難しいのか、受診の準備で困ることはないか。そうした具体的な話を伺い、ご家庭で続けられる方法を一緒に考えたいと思います。ご家族に新しいことを次々とお願いする前に、今の生活を知ることを忘れないようにしたいです。
できることを確認し、必要な支援につなぐ
地域の相談先を探す際には、お住まいの地域の医療的ケア児支援センターなどが窓口になります。こども家庭庁のページにも、関連する制度や相談先の情報がまとめられています。[1]
当院としても、医療的ケアが必要なお子さんの歯科診療について学び、地域の医療者と相談できる関係をつくっていきたいと考えています。そのために、必要な知識や対応できる範囲を、具体的に確認していきたいと思います。
受診を検討される場合は、事前にお子さんの状態や必要な配慮をお知らせください。当院での対応の可否は個別の確認が必要です。訪問診療や飲み込みの評価なども、このブログだけで実施をお約束するものではありません。
お子さんが成長しても、お口の相談が途切れないことも大切です。[2] 研修で学んだことを、どのような準備や連携につなげられるか。ご本人とご家族の話を聞きながら、歯科としてできることを考えていきます。
参考文献
- こども家庭庁.医療的ケア児等とその家族に対する支援施策.2026年10月18日閲覧. 出典
- American Academy of Pediatric Dentistry. Management of Dental Patients with Special Health Care Needs. Latest revision 2026. The Reference Manual of Pediatric Dentistry 2026–2027. 出典
2026年10月18日 文献と記載内容を見直しました。