理事長ブログ

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3172023
日々のこと

若い先生へ。初めてのインプラント治療の前に、確かめておきたいこと

「自分もインプラント治療をできるようになりたい」。そう考えている若い先生に、今回は準備の話をしたいと思います。新しい手技に挑戦する気持ちは大切です。僕は、その気持ちと同じくらい、患者さんに治療の理由を説明できることを大切にしたいと思っています。

まず、ほかの治療と比べて考える

歯を失ったあとの治療には、インプラントのほかにブリッジや取り外し式の入れ歯などがあります。インプラントは顎の骨を土台に人工の歯を支える方法で、隣の歯を削らずに済む場合がある一方、外科処置に伴う痛みや腫れ、感染などの問題も考える必要があります。[1][2]

「インプラントを入れられるか」だけで相談を終えず、患者さんが食事や会話で何に困っているのか、どのような治療を望んでいるのかを聞きたいところです。自分が覚えたい治療と、その方に提案する治療は、いったん分けて考えてみましょう。

手術の前後を含めて学ぶ

日本口腔インプラント学会の患者向け資料でも、全身状態の確認、お口全体の検査、必要な歯周病・むし歯の治療、画像などによる評価を経て治療を進める流れが示されています。骨の状態によって追加の処置を検討することもあり、治癒を待つ期間も一律ではありません。[3]

見学では、手術中の器具の動きに目が向きがちです。僕から若い先生に勧めたいのは、治療計画と説明の場面も一緒に学ぶことです。なぜこの方法を選んだのか、別の方法では何が違うのか。疑問を一つずつ言葉にして、指導を受ける先生と確認してみてください。

最初の症例を担当する際も、自分で判断できる範囲、指導を受ける範囲、難しい場合の相談先を、あらかじめ具体的にしておきたいと思います。「何本埋入するか」を先に目標にせず、その患者さんの診査、説明、治療後の管理まで、責任を持って関われる準備ができているかを確かめましょう。

長く使えていることと、問題がないことは別に見る

インプラントで支える固定式のブリッジを対象とした系統的レビューでは、長期間使用できた症例がある一方、周囲組織の問題や、かぶせ物・部品の破損などの合併症も報告されています。この研究の対象は固定式ブリッジであり、すべてのインプラント治療や当院の成績を示すものではありません。[4]

人工の歯が入ったあとも、毎日の清掃と歯科医院での定期的な確認が必要です。[3] 若い先生には、治療後の患者さんの様子にも目を向けてほしいと思います。手術が終わった日の達成感だけでなく、その後に何を確認するのかまで学んでいきましょう。

インプラント治療を学びたい先生とは、こうした準備や判断についても話ができればと思っています。見学を希望される場合は、医院へお問い合わせください。受け入れの可否や内容は、その都度ご相談となります。

参考文献

  1. 日本口腔インプラント学会.入れ歯やブリッジとの違いは. 出典
  2. 日本口腔インプラント学会.インプラントのメリット・デメリット. 出典
  3. 日本口腔インプラント学会.相談から治療の流れ. 出典
  4. Pjetursson BE, et al. A systematic review of the survival and complication rates of implant-supported fixed dental prostheses (FDPs) after a mean observation period of at least 5 years. Clin Oral Implants Res. 2012;23 Suppl 6:22–38. doi:10.1111/j.1600-0501.2012.02546.x. 出典

2026年10月18日 文献と記載内容を見直しました。