理事長ブログBlog
小さいお子さんの歯の治療・予防への私の想い
小さいお子さんの歯の治療・予防についての、私の想い・考えを記します。
最も大切なポイントは2つです。
①むし歯にならないように、予防することと、
②お子さん自身が、歯ブラシを楽しんで正しく出来て、予防の重要性を理解している事、教育です。
①むし歯予防は、歯が生える前から始まっています。〜歯育ては妊娠期から〜
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にはむし歯菌、歯周病細菌はいません。それが1歳半〜2歳半をピークに周りの大人(特にお母さん)からむし歯菌が感染して定着していくのです。ですから、お母さんをはじめとする赤ちゃんに接する皆さんがむし歯の治療、クリーニングをしてむし歯菌の数をできるだけ減らしておくことが、お子さんのむし歯予防に直結します。
むし歯や、歯周病は家族内集積しますので、出来るだけ、子供に伝染さないようにしましょう。
お子さんが生まれたら、身近な小児科の先生を探すことでしょう。その時に、小児をちゃんと診てくれる歯医者さんを探しましょう。自分の子供を診てくれる先生とは、長いお付き合いになっていきます。それは、お子さんのお口の成長を共に見守ってくれるパートナーだからです。
生後半年ほどで、まず下の前歯に乳歯が生えてきます。初めてのかわいい歯が頭を出してきたら、おめでとうございます!まずは、歯科医院でフッ素塗布と今後の歯ブラシのポイントを教えてもらいましょう。歯科医院のスタッフ、衛生士さん、先生が祝福してくれることでしょう。そこから子供の歯との付き合いがスタートします。それからはおよそ3ヶ月に一度フッ素塗布・予防処置(シーラント処置)のために歯医者さんに連れて行ってあげて、歯医者さんに慣らしていきましょう。
そうして、お子様には歯医者は「虫歯ができてから行くところ」ではなく、「健康なお口を保つために歯をキレイにしに行くところ」だというイメージをプレゼントしてあげてほしいのです。そうすれば、歯医者は痛くて行きたくないところ、怖いところというネガティブなイメージを抱かずに楽しく通いながら虫歯ゼロを目指していけるはずです。
一番大切なのは、教育だと思います。ご両親のお口の中の状態は驚くほどそのお子様に反映されます。でもこれは歯の質や唾液の質といった変えられないものが遺伝しているのではなくて、定期検診を受診しているか、正しい歯ブラシができているかといった生活習慣が遺伝しているのです。ですから、ご両親が、むし歯・歯周病予防の習慣を身につけて、その素晴らしい習慣をぜひお子様に引き継いであげてください。
私は、「大切なわが子の20歳でカリエスフリー(虫歯ゼロ)」を多くの家庭で達成することを望んでいます。
私は、高度な歯科技術も身につけてきて行ってきました。歯周外科治療、歯周組織再生療法、インプラント治療、マイクロスコープ下での歯内療法・・・。しかしこれらは、どれも後手後手の治療です。最も望ましいのは、そこまで疾患(齲しょくや歯周病)が進行しないようにすることです。
だから、お父さん、お母さんがむし歯や歯周病で困った経験がある方こそ、ぜひお子様には、歯医者さんで、ブラッシング、フッ素塗布、シーラント処置といった虫歯予防の知識を身につけてもらいたいと思います。
そして、我が子にむし歯菌や歯周病原菌を移さないように、お父さん、お母さんにもぜひ治療をして、きれいなお口でいてほしいと思います。