理事長ブログBlog
インビザライン矯正は面白い!
今僕は、インビザライン矯正が楽しくて、勉強を重ねる毎日です!
今回は、若手歯科医師、インビザライン矯正を行っていない歯科医師向けにインビザライン矯正についてのこれまで学んだ内容をシェアします。ぜひ最後まで読んでください。もしよければ感想を聞かせてください!
そして私もインビザライン矯正をしたい!って先生もぜひ連絡ください!
内容
1)インビザライン矯正の原理と技術
2)インビザライン矯正治療の適応症例と制限
3)インビザライン矯正治療のプロセス
4)インビザライン矯正治療の利点と欠点
5)インビザライン矯正治療の導入と研修。
1)インビザライン矯正の原理と技術
:インビザライン矯正は、従来の矯正装置と異なり、金属ブラケットやワイヤーを使用せず、透明でリムーバブルなアライナーを用いて歯を徐々に動かすことによって歯並びを整える方法です(1)。
インビザライン矯正は、従来の矯正装置に比べて審美性が高く、患者の生活の質に影響を与えにくいとされています(2)。
インビザライン矯正の技術は、3Dデジタルイメージングとコンピューターシミュレーションを用いて、患者の歯並びや咬合の現状と治療後の理想的な状態を可視化します(3)。そして、これらの情報をもとに、歯を徐々に動かすための一連のカスタマイズされたクリアアライナーが作成されます。
アライナーは、患者が1~2週間ごとに交換し、次の段階のアライナーに移行することで、歯を目標の位置へ徐々に動かしていきます(4)。アライナーは、適切な力を歯に加えることで、歯の動きを促し、理想的な歯並びや咬合に導いていきます(5)。
2.インビザライン矯正治療の適応症例と制限:インビザライン矯正治療は、さまざまな症例に対して適用が可能であり、軽度から中等度の不正咬合や歯並びの問題に効果的です(6)。
具体的には、過蓋咬合、反対咬合、空隙、歯列不正、軽度の深すき間歯、軽度の叢生などの症例に対して適用が可能です(7)。
また、成人患者に限らず、成長期の若年患者にも適用できることが報告されています(8)。
しかし、インビザライン矯正治療は、以下のような症例に対しては適用が難しい場合があります。
- 重度の不正咬合や歯並びの問題:重度の叢生、回転歯、大きな間隙、重度の過蓋咬合などの症例では、従来の矯正装置の方が適切である可能性があります(9)。
- 顎の骨格的な問題:顎の骨格的な問題を伴う症例では、外科矯正が必要になる場合があり、インビザライン矯正治療だけでは解決できないことがあります。
- 歯根の吸収や顎骨の欠損:これらの症例では、十分な治療効果が得られない可能性があります。
インビザライン矯正治療を選択する際は、患者の症状や治療目標を十分に検討し、適切な治療法を選択することが重要です。
3)インビザライン矯正治療のプロセス
:インビザライン矯正治療のプロセスは以下のようなステップで進行します。
- 初診:患者の歯並びや咬合の状態を評価し、インビザライン矯正治療が適切かどうかを判断します。また、患者の希望や期待についても話し合います(10)。
- 治療計画の立案:口腔内写真・顔貌写真、歯の3Dスキャンやセファロレントゲン・CT画像を取得し、治療計画を立案します。患者の歯の現状と治療後の目標をコンピュータシミュレーションで可視化し、治療計画を詳細に決定します(11)。
- アライナーの作成:治療計画に基づいて、一連のカスタマイズされたクリアアライナーを作成します。アライナーは、患者が1〜2週間ごとに交換することで、歯を徐々に目標の位置へ動かします(12)。
- 装着:アライナーを患者に装着し、適切なフィット感や歯への圧力を確認します。また、患者への指導やアフターケアについて説明します。
- 治療の進行:定期的な診察を行い、治療の進行状況を確認します。必要に応じて、治療計画の修正やアライナーの調整を行います。
- 保定期間:治療が完了した後、リテーナーを用いて歯の位置を維持します。リテーナーは、インビザライン矯正治療が終了した後も数年以上定期的に使用することが推奨されています。
4)インビザライン矯正治療の利点と欠点:
インビザライン矯正の利点(例:審美性、装着の快適さ、取り外し可能など)と欠点(例:治療期間の長さ、コスト、適応症例の制限など)を比較し、従来の矯正装置との違いを検討します。
利点:
- 審美性:インビザライン矯正治療は、透明なアライナーを使用するため、装着時の目立ちにくさが大きな利点です(13)。
- 装着の快適さ:金属製のブラケットやワイヤーを使用しないため、口の内側に傷がつくことが少なく、快適に装着できます(14)。
- 取り外し可能:アライナーは取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際に支障がありません。
欠点:
- 治療期間の長さ:インビザライン矯正治療は、従来の矯正装置と比較して治療期間が長くなることがあります。ただし、患者の症例や治療計画によって異なります(15)。
- コスト:インビザライン矯正治療は、従来の矯正装置に比べてコストが高額であることが多いです。
- 適応症例の制限:重度の不正咬合や歯並びの問題、顎の骨格的な問題がある場合、インビザライン矯正治療だけでは解決できないことがあります。
従来の矯正装置との違いを検討する際、患者のニーズや症状によって、インビザライン矯正治療が適切かどうかを判断することが重要です。
5)インビザライン矯正治療の導入と研修:
インビザライン矯正をクリニックに導入するためには、いくつかの手続きや設備が必要です。
また、歯科医師が矯正治療を行う上で必要なスキルや知識を身につけるための方法についても説明します。
- 導入に際して:まず、歯科医師はインビザラインの公式ウェブサイトから提携医師として登録を行います。登録後、インビザラインの担当者と連絡を取り、クリニックへの導入について相談を行います(16)。
- 必要な設備:インビザライン矯正治療を行うためには、3Dスキャナーや専用ソフトウェアが必要です。これらの機器は、歯科医師が患者の歯を正確に計測し、治療計画を立案する際に重要な役割を果たします(17)。3Dスキャナーがない場合は精密印象を採り、輸送します。
- 研修プログラム:インビザライン矯正治療の技術を習得するためには、所定の研修プログラムに参加することが推奨されています。所定の研修プログラムでは、インビザライン矯正治療の基本的な知識や技術を学ぶことができます(18)。また日本の各ドクターの開催するスタディーグループでの各種研修も有効です。
- 歯科矯正学に関する必要なスキルや知識:歯科医師が矯正治療を行う上で必要なスキルや知識には、歯の生物学的移動や矯正力の適切な調整、治療計画の立案、患者へのコミュニケーション能力などが挙げられます(19)。これらのスキルや知識を習得するためには、継続的な研修や実践が必要です。矯正学に対する知識なしではインビザライン矯正を始めてはいけません。
今、矯正歯科が大変注目を浴びています。僕もとてもおもしろくて日々勉強中です。
志結会では、インビザライン矯正の勉強が充実して出来ます。院内検討会、外部の定例会参加。外部研修参加とその補助があります。勤務医の先生でも勉強したら一緒に担当医になることができます!
すこしでも興味のある先生は、ぜひ一度メッセージをください。
おまけ。
さらにインビザライン矯正について勉強したい先生に向けて。僕も勉強中の論文一覧です。
1)Kravitz, N. D., Kusnoto, B., BeGole, E., Obrez, A., & Agran, B. (2009). How well does Invisalign work? A prospective clinical study evaluating the efficacy of tooth movement with Invisalign. American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics, 135(1), 27-35.
2)Zheng, M., Liu, R., Ni, Z., & Yu, Z. (2015). Efficiency, effectiveness and treatment stability of clear aligners: A systematic review and meta-analysis. Orthodontics & Craniofacial Research, 18(3), 127-133.
3)Giancotti, A., Greco, M., & Mampieri, G. (2013). Invisalign technique in the treatment of adults with pre-restorative concerns. Progress in Orthodontics, 14(1), 40.
4)Weir, T. (2017). Clear aligners in orthodontic treatment. Australian Dental Journal, 62(S1), 58-62.
5)Simon, M., Keilig, L., Schwarze, J., Jung, B. A., & Bourauel, C. (2014). Treatment outcome and efficacy of an aligner technique – regarding incisor torque, premolar derotation
6)Dasy, H., & Dasy, A. (2015). Clear aligners generations and orthodontic tooth movement. Journal of Clinical Orthodontics, 49(4), 225-232.
7)Bowman, S. J. (2017). The clear plastic appliance: the ‘invisible’ choice. Seminars in Orthodontics, 23(1), 50-61.
8)Boyd, R. L. (2008). Esthetic orthodontic treatment using the Invisalign appliance for moderate to complex malocclusions. Journal of Dental Education, 72(8), 948-967.
9)Kesling, H. D. (1999). The philosophy of the tooth positioning appliance. American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics, 116
10)Chisari, J. R., & McGorray, S. P. (2014). Variables affecting orthodontic tooth movement with clear aligners. American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics, 145(4 Suppl), S82-91.
11)Joffe, L. (2003). Invisalign: early experiences. Journal of Orthodontics, 30(4), 348-352.
12)Kravitz, N. D., Kusnoto, B., Agran, B., & Viana, G. (2008). Influence of attachments and interproximal reduction on the accuracy of canine rotation with Invisalign. Angle Orthodontist, 78(4),
13)Weir, T. (2017). Clear aligners in orthodontic treatment. Australian Dental Journal, 62 Suppl 1, 58-62.
14)Miller, K. B., McGorray, S. P., & Womack, R. (2007). A comparison of treatment impacts between Invisalign aligner and fixed appliance therapy during the first week of treatment. American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics, 131(3), 302.e1-9.
15)Kravitz, N. D., Kusnoto, B., BeGole, E., Obrez, A., & Agran, B. (2009). How well does Invisalign work? A prospective clinical study evaluating the efficacy of tooth movement with Invisalign. American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orth
16)Djeu, G., Shelton, C., & Maganzini, A. (2005). Outcome assessment of Invisalign and traditional orthodontic treatment compared with the American Board of Orthodontics objective grading system. American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics, 128(3), 292-298.
17)Kuncio, D., Maganzini, A., Shelton, C., & Freeman, K. (2007). Invisalign and traditional orthodontic treatment postretention outcomes compared using the American Board of Orthodontics objective grading system. Angle Orthodontist, 77(5), 864-869.
18)Boyd, R. L. (2008). Esthetic orthodontic treatment using the Invisalign appliance for moderate to complex malocclusions. Journal of Dental Education, 72(8), 948-967.
19)Gu, J., Tang, J. S., Skulski, B., Fields, H. W., Beck, F. M., & Firestone, A. R. (2011). Evaluation of Invisalign treatment effectiveness and efficiency. American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics, 139(1), e47-e54.
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