理事長ブログBlog

8302023
臨床・症例について

保存版!【歯学部生・衛生士学生さん向け】医療者として、歯科医院で患者様にすべき配慮

保存版!!

今回のブログでは「臨床家として実際の現場での患者様応対で、気をつけていること」をここに書かせてもらいます。

歯学部学生さん、若手歯科医師、衛生士学校学生さん、歯科衛生士さんなど、歯科医療従事者はぜひ参考にしてみてください。

 

今回これを書くきっかけになったのは、先日、新人歯科衛生士さんからスケーリングを受けたことです。

今回は2回目でした。彼女は、診療に真剣に取り組む優秀な衛生士さんです。コンセプトは、患者さんの気持ちを伝える、ここに意識して本人にもフィードバックをしました。

 

その中で、自分自身が患者様への歯科治療や検査、実際の施術中に気をつけている点を思いつくままに、記載していきます。

医療法人志結会おざき歯科医院のメンバーはほとんどこの内容がわかります。

というか、やっています。

日常の診療のアタリマエ、それを書いていますからね。ああ、、これ、〇〇先生のことだな、、あ!DHのさん、これ理事長のことだなっと、ここに書いていることに気を配っているなってその人が浮かびますよね。

これらが歯科医療におけるホスピタリティでもあると思うんです。

僕はね。

当然、ベースとなる、診断・治療計画は重要です。

これは、栗原先生の名著「若手臨床医サブノート」にタップり書かれているのでここで記すのはおこがましいです。DH、Drにとって、診断・治療計画が当然、前提知識としてなにより大切です。

正直今回の内容は、数年、医療従事者で患者様に接している方は、ほとんど、やっていることだと思うので、そんなに大したことではありません。そういう方は、そうそう、それ大事〜と、歯科医院あるあるとして、微笑ましく見してもらったら良いものだと思います。そしてもし後輩でできていない者がいたら、伝えてあげてください。意外と新人だと知らない者もいますので・・・。

あと内容が重なっているところもいくつかありますが、そこはとっても大切だと思っていください(校正が大変ってわけじゃないんです、、、本当だよ、、、)

 

<医院に来られる前>

・電話応対をするときは、電話越しに笑顔を届ける。院長もたまに電話を受けます。その時、気をつけていることです。

・患者様が診療所に入って来た時は、患者様が声をかけてくる前にかならず、自分から挨拶をする。それでも自分の認知していないときに、患者様が先に気づくときあります。それで普通になります。

<治療前>

・受付や診療室内で、患者様に声がけをする。「こんにちは!」「お疲れ様でした!」などなど。これは、受付でも診療室でも、自分と対面してなくても、パソコンに入力中でも、気配や、周辺視野で患者様が来られたこと認知します。患者様から先に声をかけられたら、失格だと思っています。自分から挨拶するようにしましょう。

<患者様のチェアーサイドへの誘導>

・患者様の名前を呼んで笑顔でお迎えをしています。マスクをしていても声のトーンから、笑顔は伝わりますよ。

・患者様を診療室に導入する時は必ず前を歩き、左手は常に進行方向に指し示し、歩む道を迷わないようにしています。

・患者様との距離が1メートル以上離れないようにしています。患者様が、どこにいくのか分からず迷っているのは案内者が案内できていないからです。

<患者様への声がけ、ヒアリング>

・声がけするときは、必ず3回以上患者様の名前を呼ぶようにしています。(1)術前、(2)術中、(3)術後。なにか声をかけるときに、「〇〇さん、これから麻酔をしますね。」など。患者様は、歯科医院にくるとき、やっぱり不安を感じて来院されます。これは絶対です。そのとき、術者や院内のメンバーが名前で声がけをしてくれると安心します。僕が病院に行くときもそう感じます。術者、アシストに付く人は、患者様の名前を呼んでいますよね??診療室内で、受付、アシスト、術者が名前の声がけを3回づつしたら、患者様は9回名前を呼ばれる(受付、DHの2名であれば6回呼ばれる)はずです。これが安心感に繋がります。

・患者様の名前を覚えるように努力しています。ただ僕は、記憶力が悪いです。でも努力はします。だから名前を呼びます。

・必ず、前回の経過を聞く、そして必ず記載しています。書かないと忘れるし、5年後絶対覚えていません、他の人のカルテだとなおさらです。

「初めに」「必ず」、今日の予定処置部位以外に、「他に気になるところ」が無いかを聞いています。これ重要ですよ!!医療法人志結会おざき歯科医院は、予約制です。これをしないと、規定の治療時間内で対応できなくて目の前の患者様の困りごとを解決できなくて迷惑をかけたり、最悪次の患者様の診療時間を使ってしまうことになってしまいます。みんなが不幸になってしまいます。

・痛みや違和感のヒアリングは、必ずJCS(ジャパンコマスケール)を流用し、「痛みのピークを100%だとして、今何%くらいですか」、と数字できく。患者様が「まだ痛みがあります」と言った時、ピークの95%の痛みなのか、ピーク時の10%、どちらかで、対処方法が変わってくる、その日の治療内容も変わってくるからです。患者様へのこころ配りですよね。

・主訴や患者さんのコメントは、患者様の言葉で、診療録やサブカルテに記載しています。術者が自分で書くか、書けないなら書いてもらうように指示する。そのときそのときの記録が、5年後、10年後、20年後、40年後、60年後の患者様への医療サービスを担保することになります。その患者様の40年後、60年後のこと考えて、記載する。それが患者様への誠実さです。

・話しかけるのは、たとえ年下であれど、自分の目上の恩師に話しかけるように、「丁寧語」以上を前提として話しかけます。フランクに話すのが親しみやすいという考え方もありますがそれは、ほっっっんとうに10年以上の信頼関係があって、プライベートでも飲みに行くくらいの場合に限るものだと考えます。身内で親等が近いほど、丁寧に、「丁寧語」以上で接していったほうがいいです。

・マスクの下は笑顔で話かけます。患者様は歯科医院に来るのは不安でいっぱいです。マスクの下の笑顔が、患者様を安心させます。

・喋るとき、絶対、機械的な言葉がけをしないようにしています。カンペを読んでいるような話し方をしない。棒読みをしない。声に、「優しさ」の感情を乗せる。自分が風を引いた時の患者の立場でも、内科の医療従事者が棒読みの言葉を発されると、「ああ機械的な仕事されてるな」と感じて、そこの医療機関にまた行きたいと感じることは無くなります。逆にここに優しさを感じる医療機関は、また何かあったら行こうと思えます。これがかかりつけ医の機能ですよね。

・患者様がもし怒りや不満を訴えるなら、それに真摯に向き合います。まず、受け入れます。全部話してもらいます。患者様に伝えるべき内容は、聞き終わってから、シンプルに伝えます。

・痛みが取れない、すぐに詰め物が取れたなど、患者様の不安や負の感情には、明るく返します。医療者の、テンパった対応とか、「うっ」て思っている表情は、患者様からすると術者による「否定」と見えます。そう思っていなくてもね。それに畳み掛けては、信頼関係が構築できません。あくまで客観的な情報を受け取る。そして、患者様の不安や負の感情は、患者様「自身」はそう感じている、という「主観」を、医療従事者として客観的に受け取るようにします。

・施術トータル時間を可能な限り短くします。なので、診療時間の無駄は極限まで削いで短時間で終わらせます。そして本当に掛けるべき重要なところに時間を投下します。新人で多いことは、、、。ためらいから無駄な確認が多かったりします。自信が無いから同じ操作を反復してしまう、無駄な操作。麻酔待ち、印象硬化待ちなどでやることがない、診療の順序が組み立てられていないから必要ない待ち時間をつくってしまうことです。

<治療に入るとき>

・診療チェアーを倒す前にも必ず声がけ「お席を倒しますね」と伝える。チェアーをいきなり倒さない、患者様は驚きます、場合によっては不信感に繋がります。ときどきチェアー倒しはじめてから、「チェアー倒しますね」という術者がいますが、これはダメです。患者様はびっくりします。

・患者様に何か指示をして、何かしてくれたら、そのしてくれたことに感謝の言葉を伝えます。右を向いてくださいと言って、右を向いてくれたら、必ず「ありがとうございます」と伝えます。「痛かったら左手を上げてください」と言って、左手を上げてくれたら「ありがとうございます」と必ず伝えいます。患者様は、「手を上げて」って術者に言われてても実際に手を上げるのは気を使います、だから、実際に上げてくれたら「ありがとう」と伝えましょう。そうしたら、あ、本当に上げて良いんだって、患者様は安心します。逆になにも言われなかったり、ただ「ハイ、わかりました」と言われただけだと患者様は不安になります。術者が嫌がっていないかな、と不安になります。

・不安を先周りする。余計な不安を与えない。抜歯後の注意事項も先回りして伝える。

 

<開口の指示について>

・開口は必ず1分以内にする。

実際に施術を受けるとよくわかりますが、開口を続けることはつらいです。10分口開けっ放しとかは、拷問です。

1分は、術者の思っているより短いです。イメージ、常に閉口を指示しているイメージです。

タービン、超音波スケーラー、ヘーベル持っている手の力を抜く時は、必ず口腔外に出して、患者様にも閉口の指示を出しましょう。ここポイント、必ず、「口を閉じてください」「お口を楽にしてください」と言うようにしましょう。そして、実際に目で見て、患者様が閉口していることを確認、思ったより聞こえてなくて、患者様が閉じないことあります。

・口を開けてください、と伝えると、患者様は、頑張って大きくあけてくれます。頑張ってくれています。開口量を小さくしてほしい時は、「ありがとうございます」と言葉を添えて、「力を抜いてください」「半分だけ開けてください」と伝える。頑張ってくれていることにねぎらいの「ありがとうございます」が大切。

・患者様が開口するとき、頑張るほど首ごと大きく後方にのけぞる方がいます。術者の意図する首の角度でなければ、「ありがとうございます、首の力はぬいてくださいね」と首の角度を改善する。

<口の中の水に対して>

・歯科治療は水を出しながらすること多いです。喉の水のたまりはかなりつらいです。常に、喉に溜まった水が無いことを確認します。術者から診てほんの少しの水でも、患者様の立場になるとすごく溜まっている感じがして、辛いです。

・もしすこしでも喉の水が、ガバガバ、ゴボゴボ、一回でも少しでもわずかでも、泡を吹くようであれば、それは苦しい証拠です。わずかにでもあったら、絶対に、「喉の水大丈夫ですか?無理せずに、左手を上げて教えてくださいね」と伝えること。そう言いながら、絶対に次は、水がたまってわずかにゴボっと言わないようにする。

・ただし、エンド治療中は絶対に唾液が入らないように、ラバーダム・ZOOなどをする。治療成績に影響します。

・ただの水で(薬品をつかっていない)、飲み込んで大丈夫であれば、「水道水と同じなので飲み込んで大丈夫ですよ」と、声がけする。言ってくれないの飲み込めずで、苦しいです。

<吸引・バキューム操作>

・バキュームで口の奥を吸う時は、絶対に喉の中央を触らないようにする。とくに横を向いてもらっているときは要注意。右を向いてもらっている時、左側を吸っているつもりだと喉の中央を吸ってしまっていることが多いです。そして自分でやっていることに気づきにくいから注意が必要です。無意識に喉の中央を吸われる、、、、これは苦しいですよ。

・バキュームで同じ場所を吸い続けると、冷却されて冷たさが痛覚として感じます。同じ場所を吸うときでも、チップの先端は少しずつ動かして同じところを吸わないようにします。例えば右上7の位置でずーっと吸っていると、しみて痛く感じます。右上6や右下7の方にバキュームの先端を動かしていきます。

<施術に際して>

・迅速かつ丁寧に。F1のピットインと同じ。スピードと正確さは両立できます。無駄をなくし、バーの抜き差し・形成のその一筆、正確さを追求していきます。

・診療前に時間を確認し、自分の一つ一つの手技の時間を把握する。これから、インレー除去する、右上6近心の縁下歯石をとる、その1ステップ、1ステップがタイムトライアルです。この時間を短くする意識を常に持ちましょう。意識をすることで、質とスピードが向上します。

・衛生士さんが、歯科衛生士の国家資格のライセンスのもと、スケーリングをプロとしておこなうことを誇りに思っています。「お掃除しますね〜」という言葉がけが、非常に嫌いです。施術させてもらいますね。歯石をとりますね。歯周病予防、歯周病の原因環境の除去をしているという気概を持っています。許せて、「歯石がついているところをきれいにしますね。」「歯周ポケットの中のバイキンを減らしていきますね。」

・患者様の口腔内を触る時は、必ず声がけをする。

・患者様になにかする時は、必ず先に声がけをする。

・付着歯肉を金属などの硬いもの当たらないように気をつける(痛いから)

・口腔内での操作、とくに水が必ず飛びます。なので、赤唇の周りをできるだけタオルで覆う(ほっぺたに水飛ぶと不快ですからね)

当然、タオルを顔にかけるときは、声がけをする。

・眉毛、口角、顔面や首元、舌、開口量、ぴくっと動く、その些細な動きを見逃さない。口の中だけでなく、痛みや刺激を与えてしまっていないか注意を配る。

<手を動かしている(プローべ、スケーラー、タービン、ヘーベル持っている)ときにすること>

・施術中に、実況中継をする。形成をしているときには、「ここをきれいに整えていますね」や、齲蝕を取り切ったら「虫歯もう全部取りきりましたからね」と逐一実況中継していく。

・歯周検査のプロービングをしている時。もくもくとされると苦痛の時間です。最悪です。検査時は、実況中継をします。ここポケット4ミリです、ここ歯周炎で出血しています、

・バーで形成中などは、診療の次の手順、次の手順を判断する。頭の中では超高速で判断基準をスイッチングしていく。一切の迷いをなく。例えば、インレー形成で、露髄しそうなら、(1)頭の中は、露髄したら直接覆髄をするか、(2)直前で検知液で染まる量によりIPCするか、(3)露髄部分の出血量から炎症の強さを知って抜髄するか、念頭におきながら形成する。

・治療の実況中継を必ずする。虫歯深いですね〜。〇〇の処置をしていきますね。

・実況中継はポジティブに行うこと。診療が順調に進んでいることを伝える。

・残根抜歯に、硬いなと思った瞬間。前提として、不良肉芽取らなかったり、軟化象牙質取らずにハマっているのは論外です、これわかりますよね、、、??(わからない歯学部生や、研修医さんいたら、インスタ、FB、医院HPよりメッセージくださいね!お答えします)

ヘーベルかけて、あ、硬いなと思った「瞬間」、ナイフエッジのバーで残根歯質に3ミリくらいの楔状の切れ込みを入れる(歯槽骨を削らないように)。楔にヘーベルをひっかけて動かないと思った「瞬間」に根管相当部から頬舌的にスリット状に切れ込みを入れる。頬舌的に一層だけ歯質を残して、最後ヘーベルでパキッっと歯根を頬舌的に二分する。1ミリくらい浮かして採る。もし抜歯片から根尖が残ってそうかなと思った「瞬間」ルートピックで折れた部位を掻爬する。取れなれいなと思った「瞬間」デンタルを採る。破折片の位置を確認して採る。破折片の位置、侵襲の大きさと後の治療方針で取り切るか、そのまま経過診るか「瞬間」で判断する(わからない歯学部生や、研修医さんいたら、インスタ、以下省略)

・試適時MODメタルインレーが探針はずれないと思ったら。その瞬間に、スプーンエキスカを使います。はずれなければその瞬間、ブリッジ用のリムーバーを近遠心に軽くあてますよね。そっから先は省略。興味ある方や、わからない歯学部生や、研修医さんは、インスタ、以下省略)。

前提として、インレー模型上で取り外ししてみましたか?その時の近遠心のパラレルさと適合度確認しましたか?咬合面のどこから探針ではずしたら良いか模型上で想定していますよね?外す時の応力のかけ方は、近心頬側、遠心舌側、近心舌側、遠心頬側の対角線上にやっていますよね。

志結会では、ここが瞬時にわかるように、体得できるまで、無意識レベルに判断を超高速でできるように、徹底的に模型練習出来る環境を整えています。患者様は実験台ではありません。忘れていないと思いますが、患者様の治療は、本番です。

<ハマった時は?>

・ハマったら、そういうときこそ一息つく。一度、患者様を起こして休憩してもらう。チェアーサイドを離れて、伸びをしたり、椅子にすわって一息ついたり、頭をリセットしましょう()

・ハマったかどうかわからない??

一般開業医で、残根抜歯1時間、インレーセット1時間、口腔内写真30分、普通抜髄1時間、歯周検査に20分、あってはいけないことですが、こんなことになるのはハマっていますよ。95%、大部分が、自分の事前準備が不足、圧倒的技術不足です。こんな状態で先輩を呼ぶことにならないように、(1)徹底的に練習あるのみです。先輩も忙しいですからね。先輩を呼ぶ時は本当に本当に本当に最終手段です。患者様が不幸なので、そうならないように徹底的に事前に練習です!そして(2)事前に先輩と症例ディスカッションです。診療時間中にするのは、患者様にも先輩にも失礼です。

ハマったことに気づかない術者もいます。

<ハマった時の特徴5つと対処法>

1. 手汗がべったり出てきていたらハマっています。→をしましょう

2.あれ?うーん??思った処置が進まないのは、ハマっています。→をしましょう。そして、治療時のディジョンメイキングが頭の中でできていないです、これは予習不足です。

3.次の一手が頭に浮かばないのはハマっています。→をしましょう。そして、治療時のディジョンメイキングが頭の中でできていないです、これは予習不足です。

4.施術前より心臓がドキドキするのはハマっています。→をしましょう。

5.周りの声が聞こえなくなってきたり、スタッフからの指示が聞こえなくなってきたらハマっています。→をしましょう。結構危ない状態です。

経験不足からハマることもありますが、95%のハマりは回避できます。事前準備、自己鍛錬ができていたら。のこり5%の本当に教科書にもどこにも書いていない事態にハマることは稀にあります。1年に一度あるかないかです。

もしドハマリして患者様に迷惑をかけたとしたら、患者様にほんんんんんとに誠心誠意、謝罪しましょう。誠心誠意を尽くしましょう。そして、自分の歯科医師人生、歯科衛生士人生の一生覚えて、ノートにも書き記し、同じハマりをしないように今後に活かしましょう。次や今後、診療室や街であった時、自分から挨拶をしましょう。施術とその予後に配慮をして行きましょう、「一生」。それがハマったあとの医療者の取るべき姿勢です。

<アシスタントの動き方、アシストの使い方>

・保険診療では、アシストがどんどん動く必要あります。その4ハンドはしても良いですが、歯科医業として成立させるには、極めて多くの診療内容をしないと、成立できません(保険診療を主体としている歯科医院の院長に聞いてみてください。1日16人の保険診療(30分で一人) だけのためだけに、歯科助手一人採用できますか??と。普通は、最低でも25人から30人くらい診ないと厳しい、、、って答えが返ってくると思います。) DAはどんどん動いて、ドクターを動かす必要があります。ドクターは迅速かつ丁寧に2ハンドも最大限駆使して、診療パフォーマンスを上げていきます。

・自由診療では、4ハンドテクニックが必要になります。その応対が重要になります。質の向上が課題になるからです。Drは応対として、最高レベルの診療を実践します。

(これは異論を認めます)治療への入りは、遅くなることある。なぜなら経営者は多くの不確定要素と戦っているから。でも待ち時間それ以上の価値を提供する。

<患者様への説明>

・患者様に治療の説明をする時、はじめ患者様は聞くモードになっていないです。興味関心を引きつけられて、質問されて、初めて、聞くモードになります。僕が逆の立場で、病院に行ったときも、一方的に話をされても頭にはいりません、問いかけ・質問から入ってくれると、聞くモードに入ります。一方的に話をされると、自分ごととして感じられないんですね。

・歯科エビデンスに関して、患者様が聞くモードになれるようにする。そしてそこに刺さる、シンプルな質問をする。エビデンスに基づいて。自分自身の一本の歯の値段っていくらか知っていますか??受け口の人が8020達成できるの何%か知っていますか??定期検診に来たら歯の寿命をどれだけ伸ばせると思いますか?などなど。初めのフックになる質問がすべての鍵を握っています。

・患者様に響く一言を探す、その引き出しを持つ。「歯が割れていますね。」「骨の中に細菌の巣ができています」ちょっとショッキングかもしれませんが、そこから、気持ちになって、真剣に聞き始めてくれることがあります。あったまったら、初めて、医学的に正しいわかりやすい解説をしていきます。不安だけ残して終わると信頼関係を築けません。診断の説明、これから治療としてどうしたら良いのか、家で何を気をつけたらいいか、きちんと説明しましょう。

・画像や資料で説明する。実際の口腔内写真や、治療内容のアニメーションを使って説明する。紙媒体を配布する。いくら口でいわれてもイメージわきません。志結会では治療前・治療中・治療後の口腔内写真を撮影して、施術について説明をします。「百聞は一見にしかず」です。写真を観たら一発でわかることがたくさんあります。

・こういう利点があるからこの方法をしますね。患者様の不安を取り除くため。あれもこれもいうといたずらに心配になる。たとえそうでなくても、逃げているなと感じる。

・診療の説明は、できるだけシンプルに伝える。歯が折れているから、抜いたほうがいいです。ごちゃごちゃいう、まわりくどくいう、、→不信感に繋がります。

・決めるのは患者様。術者は、情報提供。治療の選択肢はすべて伝える。決断のサポートをする。治療の選択肢を伝える、寄り添うために志結会ではトリートメントコーディネータ制度を導入しています。(この当たりは、栗原先生監著「若手臨床医サブノート」に詳しく書いています。)

<診療終わったら>

・必ず、「最後に気になること無いですか?」と聞く。(もしあったら対応。でも時間無いですからこまったことになりますよ。だから、診療のはじめに、必ず、治療予定部位、以外に気になるところが無いか聞く必要があります、ここめちゃくちゃ大切です)

「何かあったら、いつでも連絡くださいね」、と伝える。これを言ってくれると、患者様の気持ちとして、なんかあったときの安心感が得られます。本当にささいなことなんですけどね。

・起こりそうなことは、伝えておく。取れやすい仮ブタ、取れやすい仮歯、麻酔が覚めた後の痛み、医学的には抜歯適応の歯を残している場合、歯周ポケットのある場合、これらに対しての起こりうることは必ず伝えておくこと。言わずに起きると、信頼失います。

・術後の起こりうることは、医療者としてわかりますよね(わからなかったら、勉強してくださいね)。先に伝えたら、「先生すごい。」後から伝えたら、ただの言い訳です。

・笑顔で診療室の出口までお見送りします。歯科医師がしても良いんですよ。僕でも時間が許す限りします。

・診療後アンケートを患者様に書いてもらっています。待合で書いてもらう瞬間が患者様のほっとした率直な意見が書いてもらえます。患者様にとっても術者にとっても回収するスタッフにとっても全員にとって、ひと手間ですが、これを書いてもらうことが、本当の意味での医療サービスにおける「誠実さ」だと、確信しています。1回1回誠実に患者様に向き合っている、患者様への本当に大切なことだと思っています。90%以上の回収が誠実さの証です。当院のDHのMさん、Hさん、DrのN先生、T先生はそれを常に達成しており本当に素晴らしいです。

<前提条件>

・当然、前提として、知識と技術を習得していることです。そして無知の知を前提に自己研鑽に励んでいることです。

・不安があるなら、徹底的に練習です。患者様説明も練習です。すべてが練習です。

・ちなみに、練習してできないことは、保険医療に収差されていないと捉えています。一部の術者しかできない医療技術を保険診療に入れていろんな術者が行ってトラブル出たら、国も大変ですよね。だれでもどんな術者でも出来るから保険診療に収差されています、そう捉えています。だから、保険診療は誰でもできる、もし不安を感じるなら、徹底的に練習して望むべきです。

・逆に、練習していないで不安がないなら、それは危ない、危険信号です。患者様への誠実さか、歯科医療に向き合う誠実さか、なにかが欠如しています。人生の中で何人かそういう危ない術者に遭遇したことがあります。

・保険外診療や高度な治療は、現在まだ全術者ができることでは無いかもしれません。知識も技術も、研鑽が必要です。身銭を切ってでも何十万もする外部研修に行くべきです。自分から積極的に習得しましょう。特殊な治療は、特殊なトレーニングをつんでからしましょう。研鑽を積んだからこそ実践するものです。

・どっちにしても練習です。

当然、僕も未熟な人間です。100%できていないところもありますが、必ずこれらは医療人として常に配慮しています。志結会のメンバーもこれらを当然のようにしています、素晴らしいメンバーです。

 

最後に、歯学部生や、研修医へのメッセージとして、、、

今回書いた内容は、臨床家としてみんな当たり前にしていることです。なにも大したことは書いていません。

そして、将来、自分自身が、院長になったら、今回お伝えした患者様への配慮に加えて、さらに診療所内外の、現場での判断指示、すべてのことを現在進行系で同時並行処理しないといけなくなります。

基本、

(1)自分の目の前の患者様の対応、

(2)他のチェアーの院内の患者様の対応、

(3)院内・医外で起こる経営・マネジメント上の多くの突発的な出来事、

3つのことを常に、朝も昼も夜も、寝てるときも起きてからも、平日、祝日関係なく、脳内で同時処理していく必要があります。それが開業するってことです。

 

今、歯学部の学生さんや研修医でこの内容を見れた人はよかったです。よく準備をして臨床に臨んでください。

ちなみに(1)に関しても、自分が院長になると、当然、誰も守ってくれません。自分の医院の最終砦は自分しかいません。

・さらに深刻な患者様や、

・多くの患者様や、

・何百万も支払って人生かけて治療に臨まれている患者様を、対応するようになります。

(1)で、(勤務医の時からしている術者はしていますが)、院長になるとどんな先生でも、自分の人生=自分の歯科医院になります。自分が生涯この患者さんを診ていくと決断し、目の前の患者さんひとりの施術に自分の人生をかけてに真剣に向き合わせていきます。だって、自分の歯科医院では、「最終的に」責任をもつのは院長だけですからね。

深夜まで日にちが変わるまで治療計画を立てたり、深夜まで勉強会やSCで歯科医師と診療や歯科医院のことに関してディスカッションをしています(そんなの院長として当たり前だから言わないですし、院長は、実はみんなそれくらいしています、、、ただいろんな勤務医を見ますがそのことに気づいている勤務医は、10人に一人くらいです)

そして、(1)の自分の目の前の患者様の施術中も関係なく、(2)の多くの現場対応、決断を迫られます。(2)の隣チェアーでのメインテナンスでトラブル発生したら、それの対応。急患の患者様が来られたらその対応、断ったら患者様が来なくなりますからね。飛び込みの初診の患者様への対応を同時進行でする必要があります。クレームの電話が来たら即刻対応が必要です。でも、目と指と集中は、患者様と患者様からそらせません。

新しく院長になったら、診療時間中でも診療時間外でも、診療日でも休みの日でも、(3)がさらに追い打ちを加えてきます。何を言っても文句ばかりいうスタッフがいたり。スタッフが急に辞めてその対応に追われたり。DHさんが辞めるってわかってて採用活動うまく行かなくてどうしようと心身ともに焦っていたり、受付での対応が悪くてクレームがきてその後処理とその再発防止に悪戦苦闘したり。それを受付に言っても理解してくれなかったり。。。(志結会のメンバーの名誉のために言っておくと、志結会は優秀なメンバーに恵まれて、開業時に起こるこれらのステージをみんなが乗り越えてきてくれました。)

正直、院長になったら、今回のブログに書いた(1)の患者様への配慮に加え、それの9倍以上大変かつ深刻な(2)(3)の対応が待っています。しくじると、借金だけ残って、自分の歯科医師人生=歯科医院がつぶれかねませんからね。

繰り返しになりますが、自分で開業したり・継承したら、自分の医院のことを最終的に決断するのは院長である自分しかいないからです。

今回このブログでお話した(1)なんて余裕でこなせないと、院長なんて務まりません。

医療法人志結会は7つのビジョンの一つに、情熱ある若手歯科医師・歯科衛生士が活躍する場を提供するということを謳っています。だから、志結会おざき歯科医院では、勤務医の間に、(1)が当たり前にできて、(2)に関しても対応できるような体制を整えています。そうすることで、将来自分が開業や継承したときに少しでも楽になります(そうは言っても(3)がとてつもなく大変なんですけどね笑)。

おざき歯科医院では、勤務医の間から、(1)(2)をしっかり意識することができます。だから、おざき歯科医院をちゃんと卒業した先生は、院長としても立派な先生になると、僕は確信しています。ちゃんと卒業したK先生にそういう確信もっています、実家の歯科医院を継承してその成果がでるまでもう少し、楽しみです。

そして、衛生士さんやDAさんは自分の歯科医院の院長を優しい目で見てあげてください笑。1日自分の診療列だけで40人診たり、胃に穴が空くほど難しい全顎症例と対峙しながら、すべての最終的な判断を委ねられて心身ボロボロになっているんだと、、、その間ですべて同時進行で処理してくれていることに。。。

ちなみに今回お話した内容の、ほとんどは、私自身も、患者様から痛い!先生は配慮してくれない!など、研修医のときから、「患者様自身」から指摘されてきたたことです。

また、自分自身が、病院や医院に通院して患者として感じたことです。

私自身が、術者として、患者として、身をもってトライアンドエラーをしてきた結果です。

 

でも、改めて書いてみたら、結構患者様への配慮していますよね笑。自画自賛??まあ、多くの臨床家はうなずける、同意いいただける内容だと思います。

 

医療従事者にとって、患者様が、先生であり師匠です。

患者様の声が最も医療者として成長させてくれます。

 

今日書いた内容は、医療法人志結会のメンバーひとりひとりも、医院理念・7つのビジョンを実現するために気をつけているものです。とくに、7つのビジョンの中の一つ、「世界最高水準のホスピタリティ」を実現できると思います。上に書いた全部を、全員ができていたら、結構、世界最高水準のホスピタリティじゃないですか??

もしこれを読まれた患者様で、院内で気になるところがありましたら、毎回お願いしている治療後アンケートにぜひご記載いただけたらと思います。あなたの一言が、わたしたちに気づきを与えてくれます。

 

こんな動画全盛期、しかもショート動画の流行っている時代に、1万3000文字を超える文章を読んでいただきありがとうございました。感謝いたします。

 

歯学部生さん、研修医さん、衛生士学生さん、新人衛生士さんはぜひ参考にしていください。先人の経験を踏まえて、よい配慮をするようになってもらえたらと思います。志結会で頑張っている新人DHのSさん2人も、その指導に当たっている先輩も、本当によく頑張ってくれています。

そしてもし実際に患者様にどんな配慮をしているんだろ!?っ気になった歯学部生さん達はぜひ志結会おざき歯科医院に見学に来てもらえたらと思います(地域医療への貢献、歯科医療の未来の発展のため、歯学部生、研修医、衛生士学生さんの見学の交通費を支給しています)。志結会のメンバーは、みなこれらのことに配慮できる自慢の素晴らしいメンバーです。