理事長ブログBlog

8132014
臨床・症例について

プラーク(歯垢)を赤く染めてブラッシングしましょう。

プラーク(歯垢)を赤く染めてブラッシングしましょう。

私はTBI(ブラッシング指導)時に歯垢検知液をこまめに使うように心がけています。

歯垢検知液とは、磨き残しのプラークが赤色に染まる液体です。中には古いプラーク(ずーっと付いているプラーク)を青く染めて、数日の間についたプラークを赤く染め出す物もあります。

プラークとは、細菌の塊で、歯面に付着したものです。歯垢ともいいます。プラークは歯面に定着していることでう蝕を引き起こしたり、歯肉溝内に侵入することで歯周病の原因となります。

日々のブラッシング(セルフ・ケア)では、このプラークをしっかり除去することが、極めて重要になります。
しかしこのプラークの取り残しがあるのか、しっかりプラークがとれているのかを判断するのが、非常に難しいです。なぜなら、このプラークは、白色からクリーム色であり、歯の色と似ているため、実際にとれているのか自分で確認することが困難だからです。

そのため、結局自己流で歯ブラシをして、適当なところでブラッシングを終えている方が大半です。実際に自分自身で磨き切れているかどうかわからないと思います。

そこで、その取り残しのプラークがないか調べるためのアイテムが、「歯垢検知液」です。多分みなさん小さい頃に親にしてもらった記憶があるでしょう。
でも大人になるにつれてだんだん歯ブラシは自己流になってしまいます。また、歯の萌出、歯列の完成または、歯周病の進行で、歯肉の位置が変化することで、磨かないといけない部位も変化していきます。

そのため、歯ブラシをされてきた方に、歯垢検知液でプラークを染めだしてみると、驚くほど赤く磨き残りが付いており、驚かれる方がたくさんいます。
多くの方がしっかり歯ブラシをしているつもりでも、ブラッシング不足であることがほとんどです。
私が大学病院で歯周病を専門に治している時、この磨き残りを如何に患者様自身でとれるようになるかが、治療の成功を大きく左右していました。
プラークの取り残しを調べる指標にPCRというものが有ります。およそ10%もしくは20%以下だと、う蝕や歯周病のリスクが低いと考えられています。そして、この数値がこの値以下になるまでブラッシング指導を行います。そうしないと、歯周病やう蝕が再発してしまうおそれがあるからです。

なので、今も私は口を酸っぱくしてプラークの取り残しのことを説明します。特に若い方、小さいお子さんには将来のこともあるので厳しく誠実に説明します。今のブラッシング習慣が、成人した時、30歳になった時に影響してくるからです。なかなか自覚出来ないからです。

話を戻しますが、
つまり、この歯垢検知液を使うことでブラッシングのゴールが患者様自身で知ることが出来ます。
そのため、

  1. 自分がどれくらい磨けているのか知りたい方、
  2. どれくらい磨けばいいのか知りたい方、
  3. 自分では歯ブラシをちゃんとしているのに歯医者さんに行くたびに歯を磨けと言われる方
  4. むし歯の治療している箇所の多い方
  5. 歯周病が進行して、歯ぐきが下がっている方

は、ぜひ歯垢検知液を使って、赤く染めてみてブラッシングをすることをおすすめします。

そして、多くの方が、出来る限りむし歯にならない、歯周病にならないで欲しいと、私は強く願っています。