理事長ブログBlog
「サピエンス全史」を読んで医院マネジメントを想う
ずっとよみたかった、年末年始の課題。「サピエンス全史」を読み切りました。
2019年最も世界の見方が変わった本です。
今を生きていく上で、僕は人の歩んできた道、将来のことに関心があります。
人類の誕生から、現代、そして未来への考察がされていました。
人類を他の生物から、唯一無二の種に押し上げた、3つの革命という概念を示しています。
つまり「認知革命」、「農業革命」、「科学革命」の3つです。
考古学の範疇に入る時代の「認知革命」。架空の物事を語れるようになり、大勢の仲間と共同活動ができるようになった。他の動物が遺伝子で規定されている活動に限定されている中で、そこからの脱却ができました。
1万年前に始まった「農業革命」により単位面積当たりの暮らせる人の数が爆発的に増えました。
貨幣と帝国と宗教・イデオロギーにより、人の集団の統合が始まります。
500年前に始まった、これまでの全ては神が知っているという世界観から、無知の知から探求を始める「科学革命」により、人類の種族としてみたら栄華を極めたと。
では、これらの革命は、ホモサピエンスを幸せにしたのか?
著者のユヴァルノアサラリは考察しています。
生物種としては大成功したが、個々のサピエンスの幸福は増えていないと。
搾取や差別、将来への不安が生まれた。国家の台頭は、家族とコミュニティの衰退を招いた。もちろん、小児死亡率は下がり、大規模な飢餓はほぼなくなり、国家間武力紛争も減るなどの良い面もあると。
最後に著者は驚きの物語を語ります。
サピエンスの未来はもうこれまでの生物種の進化の延長上にないと。
自然選択の法則を打ち破り、生物学の限界を突破し始めたからです。生物工学、サイボーグ工学、非有機的生命工学の3つのうちどれかを自然選択の代替とすることができる。いずれサピエンスは特異点を超える。
そこはホモサピエンスが再び唯一の人間種でなくなるかもしれない。
欲望を操作できる日がもう少しでするかもしれない、そうすると「私たちが直面している真の疑問は、『私たちは何になりたいか』ではなく、『私たちは何を望みたいか?』かもしれない」と。。。
「文明の衝突」、「7つの習慣」、「学問のススメ」、「マクニール世界史」、「利己的な遺伝子」、「二重らせん」、「DNA」、「幸福論」に続くエキサイティングな内容です。
先入観、固定観念、常識が覆された、読み応えのある本でした!
この民主主義国家のなかで、歯科医院という組織も成長します。そして、時代も移り変わります。これからの時代でも、良質の医療を提供できる、変化に対応できる組織を創っていきたいと思います。