理事長ブログ

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1062026
研修・講演

症例を相談するとき、まず伝えてほしいこと

「先生、この患者様はどうしたらよいでしょうか」。相談の入口は、それでよいと思います。そこから一緒に考えるために、若い先生には、何が分かっていて、どこに迷っているかを伝えてほしいです。

患者様がお話しされたこと。診察や検査で確かめたこと。そして、その情報から自分が考えたこと。この三つを分けて話すと、こちらも確認すべき点が分かります。まだ聞いていないことを、「問題ありませんでした」と扱わないようにしましょう。

歯科医師臨床研修指導ガイドラインでも、病歴や所見に基づく診断と、患者様の状況に応じた診療計画が到達目標に含まれています。[1] 答えを出す前に、判断のもとになる情報をそろえることが必要です。

自分の案がまとまっていなくても、相談する

余裕のある場面なら、「この所見からAを考えましたが、この点が分からず迷っています」と、自分の考えも添えてみてください。これは相談の仕方を示す架空の例です。

ただし、安全に関わる不安や、すぐ判断が必要な場面では、準備ができるまで待たないでください。今困っていることと、分かっていることから伝えればよいと思います。自分の案を出せることを、相談の条件にはしたくありません。

教える側も、理由まで話す

指導する側は、結論だけ伝えて終わらず、どの所見を重く見たかも話したいですね。若手が何に迷っていたのかを聞き、その疑問が解けたかを確かめるところまでが相談だと思います。

同ガイドラインは、日々の振り返りと、適切な時期のフィードバックも重視しています。[1] 相談の終わりには、次に確認することを一つ決めてみてください。

聞いた答えだけでなく、なぜ自分の考えが変わったかも残しておく。記録は施設で認められた方法を使い、患者様の情報を個人のメモや外部サービスへ持ち出さない。次に似た場面で迷ったとき、その振り返りが役立つようにしておきたいと思います。

引用・参考文献

[1] 厚生労働省医政局歯科保健課・令和7年度厚生労働行政推進調査事業『新たな歯科医師臨床研修到達目標を踏まえた歯科医師臨床研修指導ガイドライン構築のための調査研究』研究班『歯科医師臨床研修指導ガイドライン―2025年度版―』 2026年3月。 第1章C.1(1)「基本的診察・検査・診断・診療計画」、冊子8頁/第3章、冊子17頁。 https://www.mhlw.go.jp/content/001744533.pdf (閲覧日:2026年10月17日)