理事長ブログBlog

9242007
研修・講演

第5回日本再生歯科医学会学術大会・ポスター発表終了 2007年09月24日16:50

再生医療学会ポスター発表、終了。    2007年09月24日16:50

土日の二日間で、以前から準備していた学会での発表が終わりました。

ポスター発表ではいくつか質問を受け、未熟ながら説明させてもらいました。

概要をここに載せさせてもらいます。要約は、J-globalなどに抄録が記載されています。
「ラット培養骨髄細胞の歯周組織窩洞内移植に関する研究(一般演題抄録,第5回日本再生歯科学会) A study on autotransplantation of cultured bone marrow cell in periodontal cavity(Poster Presentation,The 5th Annual Meeting of Japanese Association of Regeneration Dentistry)

 近年、再生医療について多くの研究が行われていますが、完全な歯周組織の再生には至っていません。その一方で、骨髄中に間葉系幹細胞があることが知られており、歯周組織再生に適した細胞と考えられています。 今回の発表では、ラットの培養骨髄細胞を歯周組織窩洞に移植したときの影響を免疫組織化学的染色を用いて組織形態学的に観察しました。

 実験は、ラットの大腿骨から骨髄を採取し、2継代目の細胞を使用した。その後、歯周組織窩洞を下顎両側第1臼歯近心根に作製し細胞移植を行いました。なお細胞移植を行わない反対側を対照群としました。組織は通法に従いパラフィン標本を作製し、1次抗体としてPCNAを用いた免疫組織化学的染色を行い、光学顕微鏡下にて観察しました。

 培養骨髄移植群では3日例から著明な細胞増殖が認められ、 7日例から骨様硬組織の形成が認められました。一方対照群では7日例から著明な細胞増殖が認められ14日例から骨様硬組織の形成が認められました。培養骨髄移植群では対照群と比較し、細胞の増殖や分化が早期に起こりました。培養骨髄細胞は、対照群で歯根膜が骨形成細胞に分化することに比較し早期に骨様硬組織の形成が認められたためと考えられます。以上の結果より、歯根膜を誘導するには骨髄細胞にも存在する何らかのシグナルタンパクが必要であることが考えられます。

締めくくりが弱いのは、パイロット実験の要素が大きいからです。いろいろな方向への検討が残っています。

学会の質疑応答を終えて、、、自分が当たり前にしていることが他の人には珍しく、他の方が当たり前と思ってることが自分には珍しい。他学部の研究している方と話すのは刺激的でした。